リンゴ販売店「山金(やまきん)りんご小山内商店」(弘前市駅前町)が9月23日、リンゴの品種「トキ」の販売を始めた。
「トキ」は「リンゴ界のサラブレッド」とも称される、「王林」と「ふじ」の交配によって生まれた黄色いリンゴ。台湾や香港など海外での需要に合わせて熟(じゅく)す前に収穫する「早もぎ」が横行し、市場での価値が伸び悩んでいるという背景がある。今年の販売に特に力を入れている店長・小山内亨祐さんは「おいしいリンゴをきちんと消費者に伝えたい」と話す。
トキは2010年代に海外市場で人気を集めた一方、十分に熟す前の食味が劣る果実が出回ってしまったことで、ブランドイメージや青森県産リンゴ全体の評価低下につながっている。青森県では、味ののった適期での収穫や、熟度を見極めて数回に分けて収穫する「すぐりもぎ」を呼びかけるなど、啓発活動が続けられている。
今回、あえて解禁日を設けた同店の狙いは、適期収穫の大切さを発信し、消費者には「本当においしいリンゴを知ってもらうこと」という。「トキは個人的にも好きな品種の一つ。市場でも消費者の間でも評価が下がっていることが悲しかった。自分にできる方法でなんとかしたかった」と小山内さん。
「推し」リンゴとして販売した初日には多くの客が訪れ、試食で口にした客からは「おいしい」という声も多くあった。小山内さんは「今年おいしかったら来年も食べたいと思ってもらえる。私のやっていることは未来の消費者を作ること」と意欲を見せる。
価格は1個=200円。販売は10月中旬まで。