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【リポート】過去最大2万人超え!3年目を迎えた「リンゴミュージックフェス」に行ってみた

リンゴミュージックフェス2026

2026年9月19日・20日、弘前市りんご公園でリンゴミュージックフェスが開催されました。今年で3年目を迎える野外音楽イベントで、青森県内外から35組の豪華なアーティストが出演。今年はなんと過去最大の動員数2万3407人となり、すでに青森を代表する音楽イベントになっているのではないでしょうか。僭越ながら2日間にわたってイベントをリポートします。

一般目線で楽しむ!無料野外音楽フェスの背景

軽く自己紹介から。個人的にリンゴミュージック所属アーティストの音楽は知っている程度。深く聴いているかというとそんなことはありません(「け」は知っています)。どちらかというと一般目線でのリポートになることだけはお見知り置きください。

弘前市のマスコットキャラクター・たか丸くん
弘前市民ならみんな大好き弘前のマスコットキャラクター・たか丸くん

リンゴミュージックフェスはその名の通り、弘前に拠点を置く芸能事務所「リンゴミュージック」が主催する野外音楽フェスです。リンゴミュージック所属アーティストの出演はもちろんですが、過去には、一青窈さんや水曜日のカンパネラ、サンプラザ中野くんなどがいました。

驚くべきことにそんなアーティストたちが出演するのに入場は無料。クラウドファンディングで運営費を集めてはいますが、だったら有料にすればいいのにと思ってしまいます。これにはリンゴミュージックの思いが背景にあり、詳しくは後述します。

2024年、1年目のリンゴミュージックフェスは1日開催だった
1年目のリンゴミュージックフェスは1日開催だったため、21時まで行った

会場の「弘前市りんご公園」は東京ドーム2個分の9.7ヘクタールの敷地があり、園内には約80種、2300本のリンゴが植えられている全国でも珍しい公園です。公園が誕生したのは2002(平成14)年。整備されてから20年少ししか経ってない新しい公園です。市民向けのイベントはよく開催されていますが、2万人が集まるようなイベントは過去に例がありませんでした。

「過去に例がない」ことに行政というのは否定的な姿勢をとりがちです。ですが、長く地元に根付いて活動しているリンゴミュージックだからこそ、行政が管理する公園でもフェスが実現できたのかもしれません。ちなみに2年目、3年目ともに弘前市長がイベントに視察しており、「りんご公園でこんなイベントは見たことがない」と話していました。

リンゴがなる場所にこんなに人が集まるなんて不思議です
リンゴが実る場所にこんなに人が集まるなんて不思議です
雨予報を覆す奇跡!岩木山が見守った奇跡の晴れ舞台

前置きが長くなってしまいました。今年のイベントで成功した大きな要因の一つはなんといっても天気。事前の予報は雨。しかも70%くらいの高い降水確率でした。さらに台風の接近。他県では大型イベントが台風で中止・延期といったことも聞きました。そんな中で、2日目の午前中こそ少し雨がぱらつきましたが、ライブが始まれば晴れるという奇跡が起きています(なんだったら9月19日のライブが終わった夜は大雨でした)。

りんご公園からの眺めがいい岩木山は雲で隠れ、全景を見ることはかないませんでしたが、言い換えば岩木山が雨を防いでくれていたのかもしれません(地元ではこういった考えがあり、個人的にはそういう擬人化が好きです)。

フェス開催時は雲で隠れていた岩木山
フェス開催時は雲で頭が隠れていた岩木山

オープニングではリンゴミュージック社長の樋川新一さんが「自分の仕事はスポンサー集めと晴れを祈ること」と話し、会場の笑いを誘っていました。出演者の多くが天気を心配し、晴れたことに驚いていました。中には「台風を消滅させたことがある」といった発言で会場を笑わせていたアーティストもいました。NegiccoのNao☆さんです。

オープニングであいさつをする樋川新一社長
オープニングであいさつをする樋川新一社長
台風が消失したと語るNegicco・Nao☆さん(左)
台風が消失したと語るNegicco・Nao☆さん(左)
青森ならではの縁も!アーティストと地元を繋ぐ温かい交流

1日目の注目はなんと言っても、「nobodyknows+」と2年連続で出演したサンプラザ中野くんではないでしょうか。実は「nobodyknows+」のことを知りませんでしたが、会場の盛り上がりは最高潮、続くサンプラザ中野くんでも大盛り上がりでした。

会場が沸き返るnobodyknows+
会場が沸き返るnobodyknows+

2日目はロックバンド「打首獄門同好会」が重圧なギターサウンドとギャップのある歌詞で熱狂と笑いを誘い、「MONKEY MAJIK」の時間帯では夕焼けが弘前の空を染め上げ、幻想的な雰囲気でした。名曲「空はまるで」を観客と一緒に歌う光景は、音楽フェスならではのハイライトシーンになっていたのではないでしょうか。

マグロの人形が飛び交う「打首獄門同好会」のステージ
マグロの人形が飛び交う「打首獄門同好会」のステージ
津軽ならではの美しい夕景が見ることができた
津軽ならではの美しい夕景が見ることができました

ちなみに「MONKEY MAJIK」が青森にゆかりのあるバンドだったようで、ボーカル・メイナードさんは外国語指導助手 (ALT)として青森県の東側、三八上北地方に赴任したことがあったようです。MC でそのことを明かし、当時の生徒が会場に来ていました。地元ならではの温かい交流ネタが良いですよね。

青森トークでも盛り上がった「MONKEY MAJIK」
青森トークでも盛り上がった「MONKEY MAJIK」

リンゴミュージックのアーティストは2日間を通して出演し、県内外から訪れたファンの声援を受け、どのステージもお客さんで溢れていました。交流のある出演者とは一緒にステージにあがり、ラジオの冠番組のゲストに招くなど、この地域のホスト役としておもてなしをする姿が見て取れます。

ライブだけでなくラジオ番組の公開収録で出演者のトークも聞くことができた
ライブだけでなくラジオ番組の公開収録で出演者のトークも聞くことができた
老若男女がそれぞれのスタイルで楽しむ「リンゴ」の空間

個人的に面白かったのは、「アルプスおとめ」「クローバー」というリンゴミュージック所属のアイドルたちが、リンゴ農家・高橋哲史さんと繰り広げたトークイベントです。リンゴに関する純粋無垢な質問に対して、高橋さんの話は分かりやすく、そしてリンゴ栽培の奥深さに惹き込まれる内容ばかり。リンゴの木箱に座り、話を食い入るように聞いていた観客の姿が印象的でした。

リンゴ農家の高橋さんとリンゴについて語り合うアルプスおとめとクローバー
リンゴ農家の高橋さんとリンゴについて語り合うアルプスおとめとクローバー

園内をぐるぐると回っていて気づいたのですが、とにかく年齢層が幅広い。音楽ファンの若者やミドル層だけでなく、子ども連れのファミリーや年配も芝生やリンゴの木陰に座り、ゆっくり音楽やグルメを楽しむ姿を、遠くからほっこり眺めていました。りんご公園は園内に遊具も充実していて、フェスそっちのけですべり台やブランコに夢中の子どもたちもありました。

遊具で遊ぶ子どもたちと見守る親
遊具で遊ぶ子どもたちと見守る親

その他にもリンゴジュースの無料配布があったり、喫茶スペースではアップルパイの食べ比べが賑わったり、出演者も空き時間にリンゴ収穫を楽しんでいる様子をSNSに公開するなど、まさにリンゴだらけの空間。観光客と思われるアジアや欧州系の外国人の姿もちらほら。リンゴのオブジェが乗っている郵便ポストがフォトスポットと化していました。

フォトスポットとなっていたリンゴの郵便ポスト
フォトスポットとなっていたリンゴの郵便ポスト

2日目のエンディングでは王林さんから、過去最大の来場者数になったと発表。シルバーウィークの繁忙期、そして無料とはいえ、この規模のイベントを弘前で観ることができたのはなんだか不思議な気分です。

エンディングではリンゴミュージックの所属アーティストが勢揃い
エンディングではリンゴミュージックの所属アーティストが勢揃い
すべては「地元・弘前のため」。入場無料に込められた熱い思い

改めて弘前市りんご公園という会場を説明しますと、公園のまわりは住宅街とリンゴ畑が広がっています。位置としては弘前公園から4キロほどはなれ、弘前駅からは5キロ程度と弘前の中心市街の外れにあるといった場所になります。自転車でも十分に移動できる距離で、自転車で来場する人もいました。

駐車場は大きい敷地を確保されてあり、駐車場は場所さえ把握していれば困るようなことがなかったです(駐車場の場所が分からず迷っている人は多かった)。弘前駅からシャトルバスが往復しており、シャトルバスを利用した人も多かったようです。

弘前駅に設置されていたシャトルバスの案内
弘前駅に設置されていたシャトルバスの案内

こんな場所で行われているリンゴミュージックフェスですが、1年目はそれこそ付近の住民からご指摘も多かったようで、なかなか苦労されたようです(農家さんの朝は早いということも一因だと思っています)。2年目からはそういった事情を踏まえた改善があり、今年はなんと一件もご指摘がなかったとか。

関係者の話によると、中には応援する声もあったようです。このイベントはそういった地元の人たちの理解があってこそ開催できていることを知りました。

リンゴの木陰で休めるすてきなフェス
リンゴの木陰で休めるフェス

そして、リンゴミュージックという芸能事務所の活動理念。入場無料にこだわるのは、この事務所が常に「地元のため、弘前のため」と活動しているからです。東京や青森県外まで足を運ばないと楽しむことができない音楽フェスを弘前で開催し、地元の人たちに楽しんでほしいという思いから始まっています。

だからこそ無料にこだわっているとのこと。弘前の人たちにはもっとこのことを知ってほしいし、もっと応援してほしいと感じました。そして、青森県外から来てくれた人たちには、フェスをきっかけに弘前や青森のことを知ってもらい、青森県をもっと楽しんでほしいです。

40市町村スタンプラリー達成者の中に子どもの姿もあった
青森県40市町村スタンプラリー達成者の中に子どもの姿もあった

青森県40市町村を巡るスタンプラリーを開催しているリンゴミュージックが、フェス中にスタンプラリー達成者の発表授与イベントを行いました。ざっくりと200人くらいの達成者がいたのではないでしょうか。リンゴミュージック社長自らが表彰状を手渡し、受賞者それぞれが巡った青森県内の魅力を語っていました。こういった取り組みがあるからこそ、地域に根付いた唯一無二な活動ができているのだと感じます(青森県40市町村スタンプラリーは2027年3月31日まで開催していますので、挑戦してみてください)。

余談~来年も開催することを期待して

来年こそは弘前出身のあのバンドとかあのアーティストとか、青森が好きと公言しているアーティストや青森にゆかりがない大物とかでも呼んでほしいと、妄想は膨らみます。しかし、イベントを通じて青森を好きになってくれることが何よりなのかなと思いました。聞けば、リンゴミュージックフェスに出演したアーティストの中には移住してしまった人もいるとか。

そこまでではないにしても、たとえば弘前の人と交流したり、少しでも青森の何かに触れてもらえたりする機会になれば良いのです。音楽フェスにとらわれることなく、参加したことで何か新しいことが生まれているとうれしいですね。

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