企画展「菅江真澄、津軽の旅」が10月3日、弘前市立博物館(弘前市下白銀町、TEL 0172-35-0700)で始まった。
江戸時代後期の東北地方や北海道を巡りながら、人々の生活文化や各地の風景を記録した旅行家・菅江真澄をテーマにした同展。青森県内初展示となる国重要文化財「菅江真澄遊覧記」12点を含む、津軽エリアに特化した計45点を公開する。
同展の資料によると、三河国(現在の愛知県東部)出身の菅江真澄は、30代から旅を始め、信濃、越後、出羽、陸奥、蝦夷地を歴訪したという。津軽地方には6年半ほど滞在し、住民たちの暮らしぶりや生活道具などを日記に細かく記している。晩年は秋田に30年近く定住したため、多くの関連資料は秋田県内に残されている。
11月2日は、直筆本の丁替え(ページの差し替え)を行う。貴重な直筆図絵をより多くの人に見てもらうための工夫であり、現代にまで残る風景などについては、当時の描写と現在の姿を見比べられるよう写真資料も併せて展示する。
関連イベントとして、10月18日は「菅江真澄入門/津軽日記の特色」と題し、秋田県立博物館菅江真澄資料センターの担当職員・角崎大さんと、元同センター職員の松山修さんが登壇する講演会を開く。11月1日には、菅江研究の第一人者である東京学芸大学名誉教授・石井正己さんが「菅江真澄と津軽」をテーマに講演を行う。
同館で展示を担当する学芸員の工藤正智さんは「菅江真澄のみを単独で取り上げる企画展は非常に珍しい。殿さまではなく、200年前の平民がどのような生活を送っていたのか、菅江の絵画資料などを通して想像してほしい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。観覧料は、一般=500円、弘前市民=300円、大学生以下無料。11月29日まで。