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弘前のカフェ「ブルーエイト」が「店さしあげます」 75歳店主の引き際

店主の角田隆美さん

店主の角田隆美さん

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 弘前のカフェ「ブルーエイト」(弘前市土手町、TEL 0172-35-9666)が現在、新しい店主を募集している。

手書きの「ブルーエイトからのお知らせ」

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 パフェやランチメニューが人気の同店。多くの弘前市民には「学生時代の思い出の場所」として知られる。昨年末、店内に手書きで「ブルーエイトさしあげます」と張り出し、新しい店主の募集を始めた。

 店主の角田隆美さんは「夫婦2人で店を30年以上やってきた。『死ぬまでやろう』と決めた時もあったが、昨年末に雪かきをした際、店を続けることに執着がなくなり、妻の出身地である伊豆に移住しようかと考えるようになった。12月に伊豆へ新しい家探しにも行った」と話す。

 大鰐出身の角田さんは20代に東京・六本木で店を持つなどを経験。1980(昭和55)年にUターンし、弘前駅前で喫茶店「マイルーム」を開業したが、大家の都合で立ち退きを余儀なくされたため、1986(昭和62)年から「ブルーエイト」の店主となった。「ブルーエイトはもともと営業していた店で、大家から紹介された。店名のエイトは8人の共同経営だったことからだが、それ以上のことは知らない」と角田さん。

 店舗面積は25坪、客席数は36席。店にある私物以外は残し、居抜きとして使える状態にするという。角田さんは「椅子やテーブル、食器のほか、冷蔵庫や食洗器も使える。家賃や手数料などは不動産店を通して交渉してほしい」と話す。

 「店の名前を残してほしいといった希望はない。新しく店をやりたいという人がいれば、その人の店にしてほしい。店の内覧は可能で、もしブルーエイトのメニューを教えてほしいのであれば、教えることはできる」と角田さん。

 新型コロナウイルスの感染拡大により客足が遠のいてしまったことも一因になっている。角田さんは現在75歳で、3月には76歳となるという。角田さんは「夫婦ともに70歳を超え、もし辞めるなら、今しかないと感じるようになった。不定休で気が向いた時に休んでしまうような店。最後も気の向くままに辞めていきたい」と笑顔を見せる。

 現在の営業時間は、11時30分~17時。

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