タクシー会社「北星交通」(弘前市茂森新町)の本社営業所長・長谷川浩樹さんが同社のSNSで「長谷川所長」として動画投稿を再開してから1年がたった。
同社の公式SNSで切れのあるダンスやユニークな挑戦を公開している長谷川さん。昨年6月から投稿を再開したところ、再生数200万回を超える動画を生み出すなど大きな反響を呼んだ。
長谷川さんが動画投稿再開のきっかけは、三和交通(神奈川県横浜市)で活動する「みぞ部長」に刺激を受けたことから。北星交通の下山泰広社長は「SNSは会社の知名度向上や求人活動に効果があると聞き、改めて発信に力を入れてもらおうとSNSへの動画投稿を休んでいた長谷川さんにお願いした。社内に反対の声もあったが、反響の大きさから反応が逆転した」と振り返る。
当初はダンスのほかに、青森の観光地や津軽弁の紹介などの動画だったが、昨年9月、「TikTok」に投稿した空中ウォーク(エアウォーク)が9万近くの再生があったことをきっかけにダンス動画を中心に投稿するようになった。「未完成な空中ウォークが、かえって面白がられたのかもしれない」と長谷川さん。今年1月に投稿した大雪の中での「カリスマックス」のダンス動画は200万回以上再生された。
長谷川さんの高校時代は相撲部所属、前職は介護福祉士と、ダンス経験は全くない。10年前に45歳で同社に入社し、タクシードライバー未経験者から指名客を増やして入社10カ月で管理職に就任した経歴を持つ。現在、ダンス練習は就寝前の日課となっており、当初は無関心だった2人の娘たちも今では楽曲を提案してくれるなど良き理解者となった。
この1年での変化は著しく、体重は30キロ減少。夜の晩酌を控えて練習に励んだ結果、健康状態も大きく改善した。長谷川さんは「街中では二度見されたり、サインや握手を求められたりする機会もある。サインはまだありませんが」と笑顔を見せる。
SNS再開を機に、かなえたい夢や理想の未来を書き出す「夢ノート」に「バズって有名人になる」と書き続けていた長谷川さん。4月には「モーニング娘。」元メンバーの高橋愛さんとコラボが実現。長谷川さんは「今後はもっと有名人とコラボした動画で楽しませたい」と話す。
下山社長は「青森県内ではタクシードライバーが減少傾向にある中、長谷川さんの発信は当社のドライバー数を微増させるという大きな成果にもつながっている」と自信を見せる。