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弘前に初音ミクファン 「桜ミク」に熱視線、地元民と交流も

スタンプラリーに参加する初音ミクファン。青緑色の「ミクグリーン」が特徴となる

スタンプラリーに参加する初音ミクファン。青緑色の「ミクグリーン」が特徴となる

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 弘前市内で現在、さくらまつりの開催に合わせ「桜ミク」を目的に訪れる初音ミクファンの姿が多く見られるようになった。

外堀の桜をバックにしてフィギュアを撮影するファン

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 初音ミクは国内外で人気が高い女性バーチャルアイドル。「桜ミク」は初音ミクから派生した桜をテーマにしたキャラクターで、2020年まで弘前さくらまつりの公式応援キャラクターとして就任した。札幌には冬の北海道を応援するキャラクターとして「雪ミク」という派生キャラクターがあり、今年誕生10周年を迎えている。

 弘前市では、繁華街の土手町通りにフラッグや弘前駅中央出入り口前に大型看板を設置したほか、会場となる弘前公園内では、さくらまつり期間中に歓迎パネルを6台設置。弘前観光コンベンション協会は3月29日、園内でのコスプレを容認する初めての取り組みを発表した。

 弘前さくらまつり初日の4月20日は、弘前市内の取扱店で先行販売した桜ミクの限定グッズを求めて多くのファンが弘前に集まった。弘前市立観光館(弘前市下銀町)では8時の開館前に約30人の行列ができ、6万円分購入するファンの姿もあった。

 初音ミクファンは「ミクグリーン」と呼ばれる青緑色のグッズを身に着けていることが多く、ファン同士の交流はSNSが中心。ファンの一人によると、各地で開催されるイベントには会場まで足を運び、仲間を見つけると声を掛け合うという。「中には海外のイベントに行くファンもいる」とも。

 埼玉から訪れた30代のファン男性は「(ほかのファンが)どんな仕事をしているのか、本名すら知らないこともよくある。楽しみ方も人それぞれで、私は風景とフィギュアの写真を撮ることが好き。3日間の滞在で岩木山の頂上を目指して登山したが、途中であきらめた」と苦笑いする。

 限定グッズを買い求め、姫路から訪れたという20代のファン男性は「駅前や商店街に桜ミクのフラッグや看板があり、町全体でイベントを開催していることを感じ取れる。桜ミクが表紙になった広報誌が欲しかったが、窓口の人から『差し上げます』といただくことができ、地元の人のやさしさに触れることもできた。来年もぜひ来たい」と笑顔を見せる。

 弘前観光コンベンション協会は、まつり期間中まで市内6カ所を巡るスタンプラリーを実施している。6カ所のうち4カ所のスタンプを押せばオリジナルポストカードが手に入るが、ファンたちは6種類のスタンプを全部手に入れるため6カ所すべてを回る強者が多い(ポストカードがなくなり次第終了)。

 大阪から来た30代男性は、開幕前日の19日から23日まで滞在した。「初日から地元の人と仲良くなり、スタンプ設置場所がある郊外のりんご公園までは車で送ってもらった」と話す。「その後、おいしいラーメン店に一緒に行ったり、夜は飲んだりするような関係になった。大阪に来るようなことがあればお礼をしなければ」とも。

 弘前観光コンベンション協会によると、20日・21日の2日間でポストカードの引換が1660人に上ったという。

 初音ミクファンを自称し、私物を店内に飾る居酒屋「みくにけ」(元大工町)店主の三國典継さんは「台湾から来た人もいた。ファンたちは共通して弘前は初めてで『初音ミクさんが連れて来てくれた』と話している。彼らの行動力はすごいが、初音ミクというキャラクターの魅力を再認識した」と話す。

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