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神戸と青森をつなぐ。人の交流が始まり、ビジネスが生まれる。

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提供:青森県 制作:弘前経済新聞編集部

ビジネス交流の推進を目的に青森県が2022年度から取り組んでいる「神戸とつながり発展するビジネス交流推進事業」。ビジネスでのつながりにおいて、まずは人と人との絆が大切と考え、取り組みを進めていく中で、実際に人と人がつながり、最近は青森の事業者が周りの事業者をつなぐなどの輪が広がってきています。

青森と神戸でペアリング

青森・弘前の菓子製造販売の「株式会社ラグノオささき」と神戸創業UCCグループの「UCCコーヒープロフェッショナル株式会社」は、「フードペアリング」をテーマにした新商品の開発を2020年から始めました。第1弾としてオリジナルのブレンドコーヒー、第2弾はコーヒー原料を使用した「生どら焼・珈琲(コーヒー)」を開発。そして、2023年6月には「お菓子」と「コーヒー」をテーマにスペシャリストを弘前に招き、コーヒーの基礎知識や「ペアリング」のコツ、相乗効果などを体験するイベントを開催しました。

ラグノオ弘前百石町本店喫茶コーナーで行われたイベントの様子

講師はUCCコーヒープロフェッショナル株式会社※のUCCコーヒーアドバイザー・田上紗帆さん。コーヒーの淹れ方や湯の温度やタイミング、量によってコーヒーの味が変わることやコーヒーとスイーツを組み合わせる実践などを行い、参加者からは「勉強になった」「楽しかった」といった声がありました。ラグノオのマーケティング部商品企画課の細野夕紀さんは「青森と神戸という文化の異なる人たちと一緒に何かを作り上げていくことは非常に刺激になる。お互いのいいところを発信できるだけでなく、新しい気づきもたくさんありました。まだ2、3年の取り組みですが、積み重ねていくことが大事。これからも続けていきたい」と語りました。
(※所属はイベント実施時点のものです)

食の交流、青森の文化を知る

八戸在住の食育料理家で「株式会社フードコミュニケーション」の代表取締役・なぎさなおこさんは、青森の郷土料理と神戸の食のプロフェッショナルを掛け合わせ、青森の食を世界にも誇れるような観光資源にしたいと、青森を巡るツアーを企画しました。ツアーは八戸編と津軽・弘前編の2つ。八戸編では、市場「八食センター」をなぎささんと一緒に回り、郷土料理の実習と炭火で魚介を焼く体験があるといったもの。津軽・弘前編は、地元の醸造所を巡ったり、郷土料理を後世に伝えていこうと活動する「津軽あかつきの会」の料理を食べたりするものでした。

食育料理家なぎささん

2023年6月には、兵庫県から飲食事業者らが青森を訪れ、県内からの参加者と合同で、青森県内を巡るツアーを実施しました。青森の旅行会社「また旅くらぶ」と協力した2泊3日のツアーでは延べ約30人が参加し、南部と津軽の郷土料理を堪能するだけでなく、青森の自然も満喫しました。イベントなどを通じて、神戸の人と青森の人がつながり、関係人口が増えていることを実感しているとなぎささんは言います。

ツアー時の様子

なぎささんは2018年に神戸でオープンした青森りんごの専門店「あら、りんご。」をプロデュースしました。神戸には1年間通い、今ではすっかり神戸好きになったなぎささん。「青森と神戸は海外より近いし旅費も安く済む。神戸だけでなく、兵庫全体とつながっていきたい。子どもたちを巻き込み、将来の教育や就職、お互いの地域に住んでみるといった発展につながれば良いのでは」と話しています。

青森リンゴを軸に生まれた交流

弘前のリンゴ農家で「株式会社Ridun(リズン)」の永井温子さんは、リンゴの生産や加工品の販売などを手掛けています。永井さんのプロジェクト「RINGO JAM NFTプロジェクト」は、Web3技術とリンゴをはじめとする青森の多様なコンテンツを活用し、国境をも超えるコミュニティ「RINGO DAO」を作り出すというもの。足がかりとして、2025年に開催される大阪・関西万博の認知を拡大させて共創していく人を増やし、万博を盛り上げようと「EXPO酒場」の青森店を、永井さんが名乗りでました。

神戸で行われたEXPO酒場青森店の様子

2023年度に「EXPO酒場青森店」は青森で2回、神戸で1回行いました。参加者数が延べ100人にもなった同イベントでは、さまざまな業種の人たちが集まり、交流しただけでなく、リンゴの農業体験や地元の日常も体験することができたと永井さん。さらに大阪で行われた「まちごと万博カーニバル」に出店したほか、青森リンゴのファンづくりを目的とした親子向けワークショップ「りんごの学校」をなぎささんと一緒に神戸で開催しました。

ワークショップ「りんごの学校」の様子。「りんごの枝のリース」や「りんごパイツリー」を作った

永井さんはこの1年の活動を振り返り、「青森と神戸に縁がないというのは思い込みで、関西との縁はたくさんあった。リンゴのつながりだけでも多く、遠隔地というだけで意識を遠くに置くのはもったいない。今は地域の発展につながると考えるようにしている」と語ります。今後は「青森に住んでいなくても青森リンゴに関われるようなクラウドファンディングを計画している」とも明かしました。

永井さんのリンゴ農園で開催したEXPO酒場青森店。リンゴの園地でランチを食べる

青森と神戸のかけ算でビジネスが生まれる

青森県観光物産館アスパムを拠点に「地域商社machicotoba」プロジェクトが始動しました。2022年から商品開発のプロジェクトが立ち上がり、現在も神戸の通信販売会社「フェリシモ」と進行中。プロジェクトに取り組む青森市のデザイン会社「株式会社ツクリダス」のデザイナーのMARUさんは、開発中の商品はねぶたの技法を活用し、まちづくりとデザインが共創するものになると言います。

新商品の開発を報告するデザイナーのMARUさん

MARUさんは当初、ただただ神戸への好奇心から始まった参加でしたが、青森と神戸の事業に関わっていくうちに新しいビジネスが生まれる可能性があることを感じたようです。MARUさんは「青森空港と神戸空港を結ぶFDAを使えば約100分。青森の隣である北海道、岩手でも同じような時間がかかるのだから、北海道や岩手と同じように神戸がもっと身近な存在になってほしい」と話します。

青森愛を語るSNSが立ち上がる

フェリシモ(神戸市)には「部活動」を推進する社内制度があります。好きなテーマや趣味を持つ人と共感を広げ、好きでつながる人たちと一緒に事業化を目的にした活動です。X(旧ツイッター)で「青森部」が立ち上がったのは2024年1月。青森のことを知らない人やこれから知ろうとしている人たちなどに向けて、青森の魅力を発信しようと発足しました。Xを運営するのは、「青森沼」にハマりつつあるというフェリシモの猪川恭兵さん。2年前までは青森のことを何も知りませんでした。

猪川恭兵さん

猪川さんは「仕事として関わるようになったが、思っているより青森のことを知らなかった。知れば知るほど、楽しいことを神戸の人たちに教えたいと思うようになり、2年間で約20社を青森に連れてきた」と話します。

青森の魅力について猪川さんは「なんもなんも」という青森弁を例に紹介。青森のみなさまにとっての当たり前が、県外の者からすると当たり前じゃないことがたくさんある。「なんもなんも」と言いながらやっていらっしゃるその一つ一つの行動が、私にはとても魅力的に映ります。

「ビジネス交流というと、できること、やりたいこと(How・What)のマッチングのイメージがありますが、まずはそういった、そこに暮らす人たちの魅力を理解し、なぜその人達と仕事をしたいのか(Why)をつなぎ、ご縁を作っていくことのほうがともに豊かになれる方法なのでは」と笑顔で話しました。

青森と神戸の交流がきっかけで

2024年2月27日に行われた連携ビジネスプランの事例発表会から、今回4件の事例を紹介しましたが、青森と神戸の交流から生まれた新しい事業がありました。2023年9月に開催した「青森×神戸・事業共創ワークショップ&企業交流会」で知り合った神戸と青森の2人が作った「津軽こぎん刺し」のウエディングドレス「Mariage(マリアージュ)」です。

弘前のセレクトショップ「A.select(エーセレクト)」代表の佐藤秀子さんとウエディングドレスの制作やリメークを手がける神戸の「Roulottes(ルーロット)」代表・タケチヒロミさんがその2人。偶然隣同士に座ったことから意気投合し、こぎん刺しをあしらったウエディングドレスの制作企画がスタートしました。

右からA.selectの佐藤秀子さん、モデルのchiharuさん、Roulottesのタケチヒロミさん、こぎん刺し作家の阿保愛美さん

佐藤さんにはこぎん刺しを使ったウエディングドレスというアイデアが以前からありましたが、ウエディングドレスを作る人脈や手段がなかったようです。タケチさんはウエディングドレスを仕事にしている一方でこぎん刺しに興味があり、弘前を訪れたこともありました。

3月3日に開かれたお披露目会には30人もの市民らが集まった

「出会って2週間後には神戸でウエディングドレスの打ち合わせをし、その1カ月後にはほとんど企画が完成していた。何年も温めていた企画だったが、タケチさんとの出会いからたった半年でこんな奇跡のようなことが起きるとは想像してもいなかった」と佐藤さんは振り返りました。

編集後記

事例発表会では青森と神戸で始まった事例が発表されただけでなく、神戸市から関係者の登壇もあり、神戸市の取り組みや今後について伺える機会となりました。

空路で100分というアクセスの利便性を生かした新しい事業が増えていくことはもちろんですが、それだけではないようです。交流を通じて、青森県内では青森県で今までつながっていなかった事業者同士がつながり、神戸市内でも同じように新しいつながりが生まれていました。

出会いが内側からも生まれていることに、新しいモノやコト、価値は、人のつながりがあるからこそあると感じずにはいられません。これからも青森と神戸の交流が深まっていくことに期待が膨らみます。

神戸とつながり発展するビジネス交流推進事業

神戸・関西とのビジネス交流推進に向けた企業交流の企画など、最新情報は随時ホームページで公開しますので、ぜひご覧ください。

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