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弘前「たぬきケーキ」の作り手が80歳に 子どもたちに食べてほしいと続投宣言

チボリ洋菓子店の店主・岩間欽一さん

チボリ洋菓子店の店主・岩間欽一さん

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 チボリ洋菓子店(弘前市小栗山、TEL 0172-87-4533)の店主・岩間欽一さんが12月11日、80歳の誕生日を迎え、看板商品の「たぬきケーキ」を続けることを誓った。

チボリ洋菓子店の「たぬきケーキ」

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 1980(昭和55)年に開業した同店。開店当初からある「たぬきケーキ」はタヌキの顔をモチーフにしたケーキで、菓子業界で「絶滅危惧種ケーキ」とも呼ばれ、SNSやテレビ番組でも取り上げられている。岩間さんは「たぬきケーキは子どもたちに食べてもらいたいと始めた。弘前でも当初は提供店が3、4店舗あったが、現在は当店のみになってしまった」と話す。

 青森の和菓子店や横浜の洋菓子店で修業した岩間さん。妻・カツ子さんと一緒に店を始めて40年。チボリはデンマークにある公園の名前。「国民から愛されているチボリ公園をイメージし、誰からも愛される店を目指す意味を込めた」という。「行ったことはない」とも。

 岩間さんによると、同店の「たぬきケーキ」はホールケーキから成形する全国的には珍しいタイプだという。「ロスを減らすために考えた形で、チョコが固まるまでの短い時間で作るコツ。作り方は開業当初から変えていない」。今では「懐かしい」と子どもより大人の購入客が多いと笑顔を見せる。

 昨年12月には店を改築し、小規模での営業スタイルにした。商品を減らして、現在は、たぬきケーキ(250円)とショートケーキ(260円)、アップルタルト(230円)、チーズケーキ(260円)の4種。いずれも開業当初から販売している。ケーキのほか、焼き菓子類やどら焼き(100円)、あんドーナツ(80円)も用意する。

 原材料費の高騰が続き、価格維持が難しくなっているが、子どもたちに食べてほしいため、価格の見直しは現在のところ考えていないという。「家族からは価格を上げてみてはどうかと言われることもあるが、子どもたちのお小遣いで買える価格を考えると、これ以上は上げられない」と岩間さん。

 80歳となり、生涯現役を目指すという岩間さんは「2030年に迎える『たぬきケーキ』の50周年を一つの区切りとして、それまでは続けたい」と意欲を見せる。

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