弘前で集団健診、市民1400人が参加 認知症の研究プロジェクトの一環

いきいき健診の様子

いきいき健診の様子

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 弘前大学と弘前市が央公民館岩木館(弘前市賀田)と隣接する岩木文化センターで6月7日~13日、弘前市民を対象に「いきいき健診」を行った。

中路教授自らが受付に立ち、受診者に説明をする

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 全国1万人の高齢者の健診データを約10年にわたって集め、認知症のメカニズムや予防法を探るためのコホート研究プロジェクトの一環。九州大学や金沢大学など全国8大学が取り組み、弘前大学は大学院医学研究科長の中路重之教授を中心に行っていた「岩木健康増進プロジェクト」を基礎に参画した。

 「岩木増進プロジェクト」は中路教授が同市の岩木地区(旧岩木町)で2005年から始めた健康調査・推進活動で、2014年から文部科学省の推進する「COI(center of innovation)STREAM」プログラムの採択を受けた。「健康寿命を短くする3大要素とされる認知症、ロコモティブシンドローム、メタボリックシンドロームの改善につなげたい」と中路教授。

 弘前での健診には市民約1400人が参加。1日約200人が2~3時間かけて約20のブースを回り、血圧や体力測定、認知機能などの検査を受けた。中路教授は「約150人のスタッフを配置したが、長時間待たせてしまう場面もあり、「受診者が多かったため迷惑を掛けてしまうこともあったが、岩木増進プロジェクトのノウハウが生かされた」と話す。

 受診者の受付では中路教授自らが説明を行った。「当プロジェクトはデータを集めるだけの取り組みではないし、受診者が無料だから健診を受けに来たという姿勢でも困る。市民一人一人の健康リテラシーを高めることが目的の一つで、その趣旨を私からしっかりと説明する必要があった」と振り返る。

 「健康づくりはまちづくり」と話す中路教授。産学官民を巻き込み、関わる人全員の意識を変え、住民参加型の健康意識「プライマリ・ヘルス・ケア」の必要性を訴える。「理想とする環境にはまだ1割も満たないが、少しずつだが確実に前進していきたい」と意気込む。

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