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弘前の老舗書店「エビス書店」75年の歴史に幕 地域を支えた配送サービス

「エビス書店閉店」を知らせる張り紙

「エビス書店閉店」を知らせる張り紙

 「エビス書店(コンビニブックスたけうち)」(弘前市東長町)が5月30日、閉店し75年の営業の歴史に幕を下ろした。

「たけうち」で知られる「エビス書店」

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 1950(昭和25)年創業の同店は、弘前に古くからある書店として多くの利用客に愛されてきた。近年は書籍のほかに雑貨の販売に加え、地域の喫茶店や病院などに雑誌・書籍の配送サービスを軸に営業を続けていた。スタッフの竹内夕紀子さんは「今年に入り、配送の需要が立て続けに落ち込んだことから、閉店という決断に至った」と話す。

 創業者の竹内静江さんは、弘前屈指の商人であった竹内兼七の娘に当たる。兼七は明治期の週刊新聞「平民新聞」の最大出資者であり、雑誌編集者・加藤謙一さんとの親交もあったことから、そのルーツをたどる研究者が店を訪れることもあったという。「書店を長く続けていると、私自身も知らない曽祖父の功績について尋ねられることがあり、歴史の重みを感じていた」と夕紀子さん。

 同店の大きな売りだった雑誌の配送サービスは、静江さんの代から続く伝統であり、配送料は無料を貫いた。「祖母の時代から続くサービスであり、有料化は考えていなかった。社会全体が苦しかったコロナ禍でも注文を続けてもらったり、お客さまの中には『まとめて配送してくれてもいいんだよ』と気遣ってくれたりする方も多く、本当に恵まれていた」と振り返る。

 全盛期には漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」を発売日の一日だけで150冊売り上げるほどのにぎわいを見せた。現在、各所で雑誌販売を縮小する時代となっており、最後の配送先では顧客から「これからどこで頼めばいいのか」と惜しむ声が寄せられたという。

 1999(平成11)年に建て替えられた現在の店舗は、今後テナントとして貸し出す予定。夕紀子さんは「時代の流れでもあると思う。ここまで長く続けられたのは、支えてくださったお客さまのおかげ。今は閉店の整理に追われているが、最後まで丁寧にやり遂げたい」と話す。

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