弘前で学生たちの医学展-手術・検診の「体験」をテーマにした新企画も

弘前大学医学部の実行メンバーたち。中央には「こころいぬ」。「医学展」には学生が140人以上は関わっているという

弘前大学医学部の実行メンバーたち。中央には「こころいぬ」。「医学展」には学生が140人以上は関わっているという

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 弘前大学医学部が10月24日~26日の3日間にわたって行われる弘前大学総合文化祭で「医学展2014」を開催する。

大学ノートに描かれた「こころいぬ」のデザイン案。授業中に考えていたわけではないと主張するデザイナー

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 「今年の医学展は違います」と意気込みを見せるのは、同大医学部4年で代表の朴善基さん。7つのブースに分かれ、「体験」をテーマにした展示やワークショップを開催する。今年から設定したイメージキャラクター「こころいぬ」は、同部の「中の人」がデザイン。着ぐるみも制作し、さらなる集客を目指す構えだ。

 同展は、企画から準備まで全て学生が行う。「毎年来ていただいているリピーターも多くいるため、飽きさせないような工夫が必要」と、今年はさまざまな新企画を用意した。初めて設置するイベントブースでは、早稲田大学スポーツ科学部に在籍していた朴さんの経験を生かし、捻挫や打撲をした際のテーピングやアイシングの体験を実施。運動器が衰え介護のリスクが高まる「ロコモティブ症候群」のチェックができるコーナーも設ける。

 産婦人科ブースでは、摘出された実際の乳がんを触れるコーナーを初めて置く。「乳がん自己検診教室は毎年行っているが、もっと身近に感じてもらいたかった」と同ブースの担当者。そのほか、性教育をテーマにしたドラマを上映する予定で現在撮影中。避妊の大切さなどを伝える内容になる。

 救急ブースでは、現役の内科医の監修の下、心臓血管カテーテル操作の体験コーナーを設ける。初めての試みだが、心臓や冠動脈の模型はすべて手作りというこだわりようだ。今年は一般市民がAEDを使えるようになって10周年であるため、AED体験はもちろん、「減らせ突然死プロジェクト」に後援を依頼した。緊急時に必要なバイタルサインをチェックできるコーナーでは、自分たちで撮影した緊急時のシーンを見せながら、模擬トリアージタグを記録用紙にしてリアルに体験できるようにした。

 同展は「内容が充実しすぎてしまい、来場者が迷ってしまう」といった課題があったため、今年から各ブースを紹介する案内役を配置する。例えばロコモティブ症候群チェックで運動不足や栄養不良を考え、検診ブースで骨密度を測定するといったコースを考えているという。「自分のこととして医学知識をしっかり持ち帰ってもらうことができれば」と朴さんは話す。

 プレイベントも開く。ヒロロ(駅前町)の3階イベントスペースで13日と19日、各ブースの体験やワークショップを「お試し」できるような内容となる。当日は「こころいぬ」のステッカーを貼った「オリジナルエコカイロ」をプレゼントするほか、弘前市のマスコットキャラクター「たか丸くん」と「こころいぬ」の共演といった企画も用意する。

 同展は、昨年の学祭が終わった後から準備が始まった。「先輩から引き継ぎを受け、ようやく形になった。短命県で不健康なイメージのある青森。医学部の学生として少しでも青森の健康に貢献したい」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は、24日=13時~17時、25日・26日=10時~17時。プレイベントは両日15時~17時。全て無料で予約不要。

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