青森舞台の小説「いとみち」講演会 原作者が取材秘話明かす

小説「いとみち」の原作者・越谷オサムさん

小説「いとみち」の原作者・越谷オサムさん

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 弘前市立観光館(弘前市下白銀町)で11月23日、「越谷オサム講演会」が行われた。

越谷オサムさんが実際に撮影した写真をもとにイラストレーター・もりちかさんが描いたパンフレット

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 青森を舞台にした小説「いとみち」(新潮社)の原作者で小説家の越谷オサムさんを招いた同講演会。越谷さんの代表作「陽だまりの彼女」は2013年に映画化もされ、ミリオンセラー小説となった。越谷さんによると講演会の依頼を受けたのは初で、「取材をして以来、4年ぶりの青森。取材を通して好きになった青森からの依頼だったからこそ引き受けた」という。

 青森の高校に通う女子高生がメイドカフェのアルバイトを始め、成長していく過程を描く同小説。舞台を青森にしたことについて越谷さんは「泣き虫のメイドという設定があり、舞台が秋葉原だとありきたり。都会以外を舞台に考えたとき、行きついたところが青森だった」と振り返る。

 越谷さんは埼玉出身で青森には縁はなく、取材に訪れたのは2009年~2013年で約10回。一度の滞在は4日間程度で、朝の通学する女子高生たちの会話に耳を傾けていたこともあったと明かす。「取材の依頼をすると身構えてしまうことが多く、日常の青森を散策することが取材となった」とも。

 講演後に行った質疑応答では、参加者から「青森の好きな食べ物は?」と聞かれ、「いがめんち」と津軽弁で答えた越谷さん。「地元出身者の奈良美智や人間椅子は東京を飛び越えて海外で人気が出るように、青森は『キャラがたった』土地。地元民がその良さをあまり主張しない不思議な土地でもある」と話す。

 同講演会を企画した弘前フィルムコミッションの白戸大吾さんは「『いとみち』は青森を明るく描いた作品で、地元の人たちにもっと知ってほしい。将来的に映像化することができれば」と話す。

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