青森・黒石市で奇習「大川原の火流し」-海外からの参加者も

今年の大川原の火流しは、川の深みにはまるなどして3隻目の燃え具合が悪かった

今年の大川原の火流しは、川の深みにはまるなどして3隻目の燃え具合が悪かった

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 青森県黒石市で8月16日、奇習と呼ばれる伝統行事「大川原の火流し」が行われた。

昨年より参加している黒石市の外国語指導助手のイアン・ハミルトンさん(写真右)。アメリカ・カリフォルニア州出身

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 同行事は黒石市東部に位置する大川原地区で毎年8月16日の夜に行われ、約650年以上の歴史がある。南北朝時代に落ち延びた信濃の豪族が、南朝方戦死者の慰霊と故国をしのぶために始めたのが起源とされている。

 野良着姿の若者たちが、アシなどで編み上げた高さ3メートル弱の帆柱の付いた小舟3隻に火を付け、舟を引きながら同地区を流れる中野川を下る。3隻はそれぞれ早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)に見たてており、燃え方から翌年の農凶を占ったり、人々の無病息災を祈ったりする。

 同行事に参加した同市の外国語指導助手、イアン・ハミルトンさんは「日本の伝統行事に関心があった」と話す。今年で2回目の参加となり、「昨年よりはうまく川の中を歩くことができた」とも。「コミュニティーの一人として参加していることがうれしい」と、来年の参加に早くも意気込みを見せた。

 主催する「大川原火流し保存会」によると、参加する若者が年々少なくなっており、近年は同地区以外からの参加者を呼び掛けているという。外国人による参加は過去に例がなく、「3回参加することで一人前を呼ばれるようになる。ぜひ来年も参加してほしい」と話す。来年以降の参加希望者も随時募集中とのこと。

 問い合わせは黒石観光協会(TEL 0172-52-3488)まで

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