「うつわ コーヒー豆や豆人(まめと)」(弘前市早稲田1)が9月1日、2代目店主に引き継がれる。
2代目店主となるのは常連客の一人で店の隣に住む長内圭子さん。コーヒー豆と美濃焼の陶器を販売する同店は、岐阜・多治見出身の先代店主・松原範幸さんが2005(平成17)年に開業した。2007(平成19)年には当時新興住宅地だった早稲田エリアに店舗兼住宅を新築し、移転した。
弘前出身の妻との縁で、関東から移住したものの、妻が仕事を再開して関東に戻り、子どもたちも進学で弘前を離れたと振り返る松原さんは「家族がいなくなったため、弘前に住み続ける理由が失われていた」と明かす。3年ほど前から店の承継や身の振り方について思い悩んできたが、長内さんが来店したときに軽く相談したところ、店を「やる」と即答してくれたという。
長内さんは「隣に引っ越してきて以来、お気に入りの店の一つとして利用してきた。専業主婦として約20年過ごしてきたが、来年には子どもが高校を卒業することもあり、何か新しいことに挑戦したいと考えていた」と話す。
「いろいろな人に声をかけていた。長内さんの来店がもう少し遅ければ、別の人に声をかけるつもりだった。長内さんに決めてからは、うそのようにとんとん拍子に話が進んだ」と松原さん。長内さんは6月ごろから店頭に立って接客や運営の仕組みを学び、8月31日の事業譲渡完了を経て正式に店を継承した。9月中は松原さんも店に常駐し、「約20年にわたって来店してくれたお客さまに直接あいさつをしたい」と話す。
長内さんによると、店の名前や営業時間、定休日は変更しない方針で、コーヒー豆や陶器の販売もそのまま引き継ぐ。「ファンの多い店なので基本的には変えず、今まで通り利用してほしい。新しい挑戦としてコーヒーのテイクアウトには取り組んでみたい」と意欲を見せる。「隣に住んでいたという不思議な縁で店を継ぐことになったが、松原さんが大切に続けてきた店をしっかりと続けていきたい」とも。
営業時間は10時~18時。水曜定休。