弘前の商業集積地「山の手センター」(弘前市元寺町)で現在、建物の一部取り壊しが進んでいる。
山の手センターは1960年代に飲食店複合施設として誕生した。元寺町と下鞘師町にまたがるL字型の路地や、レンガ積みの壁、ガラスブロックを用いた意匠などが特徴的で、昭和の雰囲気を色濃く残すたたずまいは街歩きコースの一つとしても親しまれていた。最盛期には飲食店やスナックなど約20店舗が軒を連ねていたが、2019年10月に全店舗の営業を終了し、閉所した。
解体は、2026年冬の大雪で施設の一部が損壊したことが発端となっている。放置した場合は周辺に危険が及ぶ可能性があるため、建物面積720平方メートルのうち、損傷の激しい下鞘師町口側の区画を取り壊すこととなった。跡地は約30台収容可能な駐車場として整備する。工事は5月上旬から始まり、6月上旬には重機による本格的な解体作業がスタート。7月中の完工を目指している。
管理者の浜田ひとみさんによると、山の手センターは浜田さんの父である故・一美さんが、洋菓子店兼工房だった敷地を開発したものだという。浜田さんは「こういう昔の飲み屋街のような商売は今の時代ではもうできないが、父が随所にこだわって作っていったものなので、残せる部分は残したい」と話す。