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弘前で創業120年のハンコ店が感謝祭-「生涯現役」と3代目

3代目の太田秀穂さん。あと2年で勤続50年を迎える

3代目の太田秀穂さん。あと2年で勤続50年を迎える

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 弘前市の老舗ハンコ店「太田印房」(弘前市和徳)で現在、創業120年を記念した感謝祭を開いている。

明治時代に流通していた形がさまざまのハンコ。コンパスが付属しているハンコもある

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 1895(明治28)年創業の同店。初代店主の太田鐵次さんは病気で足を悪くしたことがきっかけで、座ってできる仕事としてハンコ店を選んだという。当時は太政官布告によって印鑑登録証明制度が始まり、印鑑の需要が伸びていたという。開業から間もなくして、店舗を現在の場所に移転。「祖父が座りながらでも岩木山を見ていたかったから」と移転の理由を話す3代目の太田秀穂さん。現在、店から岩木山を見ることはできなくなっている。

 20歳の時、父の急死により修業先の新潟から帰省し店を継ぐことになったという秀穂さん。「継いですぐの頃は、納品したハンコを投げつけられたこともあった。目が肥えているお客さまが多かったことと先代たちの品質が高かった」と振り返る。悔しくて独学で学ぶ日々が続いた。

 1988(昭和63)年には、東北エリアから初となる全国印章技術大競技会の金賞を受けた。全国一級技能士技能グランプリで銅賞や東京印章技術大競技会で銀賞といった受賞歴もあり、「お客さまに支えてもらったから」と謙虚に語る。

 同店を継いだ当時、市内に30店舗あったというハンコ店も今では6店舗に減少した。ハンコの魅力を「その人の個性を知った上で一点一点手彫りしていく唯一無二のものだから」と話す秀穂さん。「今後の目標は生涯現役でハンコを作りたい」とも。

 120年感謝祭では20%割引で象牙の印鑑3本セットや、津軽塗の印章セットを最大15%割引などで販売する。営業時間は平日=8時30分~19時、土曜=8時30分~18時、日・祝日=9時30分~17時。3月7日まで。

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