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弘前で円山応挙の幽霊画、1時間だけ限定公開 今年も降雨

公開時の久渡寺。写真撮影は基本的に禁止されている

公開時の久渡寺。写真撮影は基本的に禁止されている

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 久渡寺(くどじ、弘前市坂元)で7月8日、江戸時代中後期の絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)の真筆とされる幽霊画が1時間だけ限定公開された。

【動画ニュース】弘前で円山応挙の幽霊画を限定公開

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 1年に一度、旧暦の5月18日に当たる日に同寺が所蔵する幽霊画「返魂香之図(はんごんこうのず)」を一般公開する。昨年に続き「応挙の幽霊画を観(み)ながら落語『応挙の幽霊』を聴くツアー」が開催され、約60人の来場があった。

 須藤光昭住職によると、「返魂香之図」に描かれている幽霊は応挙の妻で、幽霊画を描けずに悩んでいた応挙の前に、自ら命を絶ち幽霊となって現れた姿と伝えられているという。「公開日は、応挙の妻を供養するため、亡くなった日」とも。

 須藤住職は「日本には円山応挙が描いたとされる幽霊画はたくさんあるが、真筆と断定されるものはない。真筆の可能性が高いものは2作あり、カリフォルニア大学バークレー美術館にあるものと、当寺で所蔵しているこの絵」と話す。

 幽霊画は昨年、坂田墨珠堂(滋賀県大津市)に依頼して約1年間掛けて本格的に修理した。「後世に残すことが大切。所蔵方法の見直しなど、今後に生かせられる学びもあった。戻ってきた幽霊画はお色直ししたような輝きがあった」と須藤住職。

 公開日には雨が降るとされ、参加者らの間では期待が高まっていた。この日の午前中は曇りだったが、公開後の午後に入り、雨が一時は強く降り出す空模様となった。

 公開は来年も旧暦5月18日を予定している。

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