弘前さくらまつりが5月6日に閉幕し、今年もネット上に投稿された桜の写真が話題を集めた。
さくらまつりが開催される弘前公園(弘前市下白銀町)では、52種2600本の桜が咲く。「桜守」と呼ばれる樹木医が管理していることが特徴で「弘前方式」とも言われ、樹齢100年以上のソメイヨシノが300本以上も園内にあるという。
今年は4月19日にソメイヨシノが開花を宣言。翌20日に弘前さくらまつりが開幕し、満開を迎えたのは24日だった。桜守の小林勝さんは「満開は平年で3日間は続くが、今年の桜は、約1週間は満開が続いた」と振り返る。
小林さんによると27日から園内の標準木は散り始めたが、30日までほぼ満開だったという。「満開後、気温が上がらず豪風雨もなく天候に恵まれた。時間をかけて散ったため、堀の水面に花びらが浮かぶ花筏(はないかだ)を見るには良い年だったのかもしれない」と振り返る。
神奈川県在住でツイッターアカウント「(なつみ氏)」さんは1泊2日の予定で岩木山と弘前公園の桜を観光した。28日夜に公園内を散策し、春陽橋から見た西堀のライトアップに「弘前公園の桜満開であまりの美しさに奇声を漏らした」とツイートしたところ、10万以上の「いいね」がつく反応があった。「(なつみ氏)」さんは「奇声は本来『発する』自発的なもの。漏れてしまうほど心を動かされた。今まで見た桜の中で一番美しかった」とコメントする。
埼玉県在住のフォトグラファー・Yukinori Hasumiさんは4日間の滞在で弘前公園の桜を撮影したという。28日朝に撮影した写真には花筏や水面に映る桜の写真など4枚と共に「弘前の遅い春は待ち侘びていたかのような狂い咲きでした」とツイート。2万7000以上のリツイートと9万近くの「いいね」を集めた。
Hasumiさんは「想定以上に拡散したが、弘前公園の魅力は伝えきれていない。花筏を初めて見た時、本能的に『なんだこれは』という驚きの言葉が出た。桜の木から偉大な生命力を感じ、桜が爆発しているような情景に『狂い咲き』という表現を使った」と話す。