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弘前の「紀伊国屋書店」が閉店 最後の営業を見届ける人も

閉店後、従業員らが入り口に整列しあいさつした

閉店後、従業員らが入り口に整列しあいさつした

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 弘前市土手町の「紀伊国屋書店 弘前店」が5月6日、閉店した。

閉店時間前のレジ前にできた本を買い求める列

 紀伊国屋書店は全国71店舗で展開するチェーン書店で海外にも出店している。弘前店は1983(昭和58)年開業。売り場面積は372坪。東北では仙台より早く、初となる紀伊国屋書店だった。

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 閉店は3月26日に発表。「閉店のお知らせ」と貼り出し、ホームページでも告知した。店長の有馬美子さんは「閉店をお知らせした後、常連客さまを中心に毎日のように来店していただく人もいた。ゴールデンウイークに入ってからはその数がさらに多くなり、閉店当日は通常の約3倍の来店があった」と話す。

 閉店時間となる19時には、閉店を惜しむ客が40人ほど集まり、最後の営業を見届けた。営業を終えた後、有馬さんは「いつまで皆さまの記憶に残る書店であってほしい」とあいさつし、入り口前に整列した従業員らと深々と頭を下げると自然と拍手が湧いた。

 弘前出身で書籍のサイン会を開いたこともある芸人のシソンヌ・じろうさんはツイッターで「わのかわりに弘前の紀伊國屋さ行ってけ。しまってまうはんで」と弘前の住民に呼びかけるように津軽弁で発信し、さらに「なくなる前にイベントやれてよかった。紀伊國屋、ありがとう。」(以上、原文ママ)と投稿を続けた。

 北海道出身の40代男性は「大学入学と同時に弘前へ来たが、紀伊国屋書店が弘前にあることに都会らしさを感じた」と振り返る。20代女性は「高校の参考書は同店で買いそろえていた。本を買って土手町の喫茶店で読んだこともあったが、最近は行かなくなっていた。土手町がますます寂しくなることが悲しい」と肩を落とす。

 50代女性は「ネットで買う機会は少ないが、本を買うなら駐車場のあるショッピングモールなどを利用してしまう。今後、地方は書店だけでなく、さらに閉店が進むことが予想されるが、便利さだけでない消費の仕方を考える必要があるのでは」と話す。

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