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弘前のコンビニ再編 空きテナントの再活用事情

今も空き店舗のままになっているコンビニ跡物件

今も空き店舗のままになっているコンビニ跡物件

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 弘前市内で現在、地域のコンビニエンスストア店舗跡地の再活用が進んでいる。

元コンビニの広い店舗を屋内展示場として使う「やまと石材」

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 弘前経済新聞編集部調べによると、市内には現在88店のコンビニがあり、最も多いのは「ローソン」の38店舗、次いで「ファミリーマート」の31店舗、「セブンーイレブン」が16店舗となっている。

 青森県では近年、コンビニの再編が大きく進んだ。2015年6月には「セブン-イレブン」が県内1号店を出店すると、3年で県内87店舗に拡大し、現在も弘前市と周辺で出店予定という。

 2016年6月には「サークルK」「サンクス」が「ファミリーマート」への転換が始まり、市内でもファミリーマートへのリニューアルが進み、「弘前宮川二丁目店」(弘前市宮川)を最後に2018年9月に市内の「サークルK」「サンクス」はすべて閉店した。

 ローソンは新規出店だけでなく、コンビニのあった既存店舗への出店があったほか、2017年8月にオープンした「S弘前健生病院店」(扇町)や同年2月にオープンした「S弘前市役所店」(上白銀町)といった施設内での出店が特徴となっている。

 一方で、撤退した店舗もある。「ミニストップ」は市内に4店舗あったが、昨年2月に「堅田2丁目店」(堅田)、12月には「弘大前店」(富野町)が閉店した。「堅田2丁目店」は現在も空きテナントで、「弘大前店」は駐車場となった。

 弘前の不動産会社「住まいる不動産」(早稲田)の須藤真人さんは「コンビニの空き店舗は、集客条件の良い立地や広い店舗が使いやすいことから飲食店やコインランドリーなどに人気が高い。弘前の場合では、塾に使われたり、最近では美容室が入ったりするケースもある」と話す。

 「サークルK弘前境関店」跡に昨年9月に出店した「やまと石材」(境関)は青森市に本店があり、弘前に初の支店を出店した。営業部長の三浦淳さんは「黒石、平川といった津軽エリアの中心にあった好立地だけでなく、バイパスにも近い。墓石を展示できるスペースもすぐに作ることができ、改修はほとんど必要なかった」と振り返る。

 「一般的な貸店舗の場合、オーナーの意向で内装が改修できない場合や駐車場といった設備不足といった事情があり、借りにくいことが多い。その点、コンビニの空き店舗は自由にレイアウトを作れて駐車場もあるため借りやすい」と須藤さん。

 「問題は家賃。コンビニの空き物件の家賃は全国水準で高い。コンビニの売り上げが高いということかもしれないが、地方の借り手との差を感じる」とも指摘する。

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