久渡寺(弘前市坂元)が7月2日、江戸時代の絵師・円山応挙(まるやまおうきょ)の幽霊画を1時間限定公開した。
公開した幽霊画「返魂香之図(はんごんこうのず)」は、弘前藩家老の森岡元徳が円山応挙に描画を依頼し、1784(天明4)年に久渡寺へ奉納されたと伝わる。2021年には弘前市文化財審議委員の調査によって応挙の真筆と認定され、市指定文化財となった。
同寺では毎年、旧暦の5月18日に合わせて幽霊画を供養するための一般公開を1時間限定で行っている。今年は7月2日がその日に当たり、12時から13時まで公開した。11時からは供養法会を行い、一般公開を前に志納金寄付者など60人が参列した。
供養法会には、弘前で活動する歌手のジョナゴールドさんも参列。久渡寺では2024年から、津軽ゆかりのアーティストが「返魂香之図」から着想を得て制作した作品を奉納する取り組みを行っている。3年目となる今年はジョナゴールドさんがモデルとなり制作した、実写の掛け軸「返魂香之図 令和に蘇(よみがえ)る~応挙へのオマージュ」を奉納した。
歴史ある取り組みに選出されたジョナゴールドさんは「自分が幽霊画の掛け軸になるという不思議な感覚と、多くの方に見てもらえるうれしさがある。久渡寺の歴史や文化に興味を持つきっかけになれば」と話す。
「撮影時に住職の計らいで応挙の幽霊画を飾りながら撮影したが、不思議と幽霊画の角度が変わり、見守られているような気持ちになった」とも。
ジョナゴールドさんの掛け軸、弘前在住の漫画家・石塚千尋さんが描いた「令和返魂香之図」、錦絵アーティスト・仙安さんによる「遊女御影」の3作品は7月5日まで、久遠寺本堂で公開する。公開時間は9時~16時(最終日は15時まで)。入場無料。