弘前に「燻(くん)製所トパーズ」(弘前市城東3、TEL 0172-78-1206)がオープンして半年がたった。
弘前初の薫製専門店として昨年6月30日にオープンした同店。大手酒類メーカーでウイスキーの販売に携わった成田修さんが、酒肴(しゅこう)として薫製料理を提案するようになったことがきっかけで開業。成田さんは「出張先では薫製を食べ歩いたり趣味で作ろうと作り方を聞き回っていたりしていた」と振り返る。
薫製の魅力について、成田さんは「うま味の凝縮、塩味の調整、薫香の付加ができる薫製は、木材や温度、時間によって全く同じものができない」と話す。
メインメニューとなる「柿の種」(各200円)は、1つの木のくん煙で薫製にした商品。木によって香りや味わいが異なることを伝えるために薫製にしたと明かす成田さん。柿の種を選んだ理由については「誰もが食べたことがあり、手頃で、味の違いが分かりやすいため」と話す。
過去に薫製に利用した木は、桜、リンゴ、クルミ、ブナ、ナラ、ヒバ、イチョウ、カツラ、カエデ、クリなど。成田さんは「青森で全て入手できる広葉樹。必要な木材が豊富にあるのが青森の強み。薫製のスタンダードな木材である桜とリンゴは、まさに弘前を代表する木」と笑顔を見せる。
メニューのラインアップは、ミックスナッツ、チーズ(以上500円)、カツオチップス、「薫製枝豆」(以上400円)など。季節の素材に合わせて「何でも薫製にする」と成田さん。「秋ジャケを干した『さけとば』を薫製にしたところ反響が良かった。今年は秋田の名物『いぶりがっこ』にも挑戦したい」と意気込む。
店内には薫製が体験できるコーナーも設置。「気軽に薫製に挑戦してほしかった」と成田さん。食材は持ち込み、体験は1回につき500円。「スーパーで買い込んだ魚を晩酌のつまみにするため、一日中、薫製に挑戦した人もいた」と振り返る。
オープンから半年がたち、リピーターも増えてきた。成田さんは「こんなに薫製好きがいるとは思わなかった」と笑顔を見せる。出店したイベントで購入した人がリピーターとして来店したり、県外からも足を運んだりする人もいるという。「インターネットで購入したいという人もいるが現在のところ考えていない。青森だからこそできる薫製を続けていきたい」と意欲を見せる。
「店名になっているトパーズは、何色にも変えられるという宝石と聞いたため、好みに合わせた薫製が提案できるようにと名付けた。これからも薫製の魅力を伝え、トパーズのようにさまざまな薫製を作っていければ」とも。
営業時間13時~18時。月曜定休。