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弘前「最勝院」の仁王像2体、修復終え一般公開へ 約3年半ぶり

修復を終えて本堂に移された仁王像

修復を終えて本堂に移された仁王像

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 最勝院(弘前市銅屋町、TEL 0172-34-1123)が 4月10日、修復を終えた仁王像2体の特別公開を始める。

慎重に運び込まれた仁王像の様子

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 2019年10月に修復のため搬出し、約3年半ぶりに最勝院へ戻ってきた仁王像。阿形(あぎょう)像と吽形(うんぎょう)像の2体で、特別公開では仁王門の中ではなく、像2体を本堂に置き直接見られるようにする。

 住職の布施公彰(ふせこうしょう)さんは「仁王門の中にあった2体はこれまで正面しか見ることができなかったが、今回は鳥除網なしで全身を見られる貴重な機会。お世話になった地元の人たちにしっかりと戻ってきたことを感謝と共に伝えたい」と話す。

 布施さんによると、2017(平成29)年秋に仁王像の目部分が落ちたことがプロジェクトの始まりだったという。「当初は目部分を修復するだけの予定だったが、残りの目も落ちそうで像全体が崩れそうな状態だったことが分かった。修理や修繕ではなく全体的な解体修復が必要となり、『造立当初の姿に戻す』という目的に変わった」と振り返る。

 修復費を集めるためクラウドファンディング・プロジェクトを立ち上げ、修復状況を確認をするため何度も東京に行ったという布施さんは「目が取れたことからまさかこんなに大きな話になるとは思わなかったが、結果として370年前に作られたことが分かり、鎌倉時代に活躍した運慶(うんけい)の流れをくむ仏師集団に作られたことが明らかになった」と話す。

 修復の依頼を受けた「明古堂(めいこどう)」(東京都世田谷区)の仏師・明珍素也(みょうちんもとや)さんは「わずかに残された痕跡を基に制作当初の目に復元したほか、仁王像の肌の最下層に残る色を再現し、ようやく最勝院に戻すことができたことに安心している」と話す。

 布施さんは「弘前の人々の身近な存在として、記録だけでなく記憶に残り、後世まで語り継がれるような仁王像を守っていきたい」と話す。

 拝観時間は9時~16時。拝観料は、大人=1,000円、小中学校=500円。5月5日まで。

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