弘前のフグ料理専門店「ふぐ新」(弘前市元大工町、TEL 0172-32-8206)が「ふぐの日」とされる2月9日、限定メニューを提供する。
弘前で唯一のフグ料理とすっぽんを提供する専門店。開業は1963(昭和38)年で、青森・深浦産のフグを主に扱う。店主の米谷実さんは現在81歳。高校卒業後、上京し、板前の修業を続ける中、フグ料理と出会い、調理師免許を取得。25歳で帰郷した。
開業当時は、青森初のふぐ調理師免許所持者だったという。実家の板柳で開業するが、1年後には「山の手センター」(元寺町)に出店。常連客が増え始め、「路面店にした方がいい」と助言を受けてホテルニューキャッスル(上鞘師町)の通りに移転したが、道路拡張工事のため、1991(平成3)年には現在の場所へ移転した。
フグの魅力を米谷さんは、「使える部位は全て使うため、料理人にはいつも調理のしがいがある。生涯現役を目標とできるのはフグのおかげ。毎日食べると疲れが残らない」と話す。「青森では天然フグが種類多く取れるため、鍋や刺し身など、身の特徴に合わせたさまざまな食べ方ができる」とも。
店内では米谷さんが作るフグのちょうちんやヒレ酒用のヒレを販売している。「ホルマリン漬けにしたフグに、もみがらを入れて形を整える。一個一個手作り」と米谷さん。50年以上の営業で2回しか見たことがないという珍しい種類のフグで作ったちょうちんもある。
「ふぐの日」にちなみ提供する「福を呼び込むふぐコース」(5,000円)は、ふぐ煮こごり、ふぐ刺し、皮刺し、ふぐちり鍋、ふぐ雑炊、ふぐ唐揚げなど。特製のふぐちょうちんをセットにする。米谷さんは「フグを食べて福を取り入れるだけでなく、ちょうちんをお土産として持ち帰り、家にも福を呼び込んでいただければ」と笑顔を見せる。
申し込みはふぐ新まで。予約の受付は2月8日まで。