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リンゴ農家の作業車Tシャツや郷土料理のマグネット 地元民が商品化

リンゴ農作業車の「バゲ」をデザインしたTシャツ

リンゴ農作業車の「バゲ」をデザインしたTシャツ

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 津軽エリアで現在、農家の習慣や文化をモチーフにしたTシャツや郷土料理モチーフのマグネットが地元の若者の間で静かな人気を呼んでいる。

郷土料理のミニチュアマグネット

 弘前・東目屋地区の有志団体「楽しいね!!東目屋実行委員会」では現在、子育て世代を中心に地域の課題解決や活性化に力を入れている。今年は毎年行っていた地域行事が相次いで中止となり、新たな取り組みとして一次産業であるリンゴのブランド化を目指し、産地を表現したデザインの段ボールを製作した。

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 製作過程で生まれた、リンゴ農家の作業車「バゲ」のイラストを抜き出して、Tシャツとして販売を始めたのは昨年12月。外国人向けを意識して英語と日本語の2種類のデザインを用意し、洋服店「RDF」(弘前市樋の口)などで販売を始めたほか、口コミで注文を受け付けたところ、すでに完売したサイズもあり、追加生産やネット通販も検討しているという。

 同団体代表の笹谷哲人さんは「バゲが県外の人に注目され、ネットでも話題を集めたことからデザインした。販売が目的というよりは、地域のことやリンゴ農園の雰囲気を少しでも知ってもらえばとの思いから商品化した」と話す。

 青森の郷土料理をモチーフにしたマグネットを製作している「north castle(ノースキャッスル)」を主宰するデザイナーのshinoさんは2019(平成31)年から、「貝焼きみそ」のミニチュアマグネットを販売している。shinoさんによると、ミニチュアフード作りに憧れが以前からあり、郷土料理は見た目がユニークで雑貨品でもあまり見かけないことからモチーフに選んだという。

 shinoさんは2017(平成29)年、地元・平川に帰郷し、現在はデザインや菓子製造を手掛けている。「貝焼きみそ」マグネットは道の駅などで販売を始めたところ、県外の人から通販の問い合わせがあるなど好評で、その後「干し餅」「ピンクのいなりずし」「筋子」とシリーズ化した。

 「Uターン者だったからこそ青森の郷土料理を『かわいい』と感じられたのかもしれない。私自身が感じていたことが多くの人たちに共感されていることがうれしい。『筋子納豆』や『うんぺい』のピンバッジを現在製作中で、地元の新しい土産になれば」とshinoさん。

 2018(平成30)年からモツ文化を広める「モツハウス」という活動を始めたリンゴ農家の会津宏樹さんは、農作業終わりなどに「モツ、やるべ」とバーベキューに友人らを誘っていたところ、「モツの人」と呼ばれるようになったことから、活動を始めたという。

 会津さんは「津軽地域の農家は仕事終わりなどに隣人や親戚たちとバーベキューで集まる習慣があり、地元の精肉販売店では安価なホルモンが好まれる。牛ではなく豚のモツを子どものころからよく食べていた」と話す。

 「モツハウス」活動ではこれまで、バーベキュー開催のほか、SNSを使い、モツ販売店の紹介や集まりの様子を発信してきた。賛同者に統一感を持たせたいと思い、オリジナルパーカーを製作した。会津さんは「地元メディアに紹介され話題を集めるようになった。(パーカーは)受注販売で内輪狙いだったが、知らない人からの注文を受けるようになったり、実店舗があると勘違いされたりすることもあった」と振り返る。

 「私自身、津軽のモツ文化のことを分からないことが多く、始めたことでモツを知る機会が増え、仲間も増えた。モツハウスはコミュニケーションツールで、パーカーをきっかけにモツや地元に興味を持つ人が増えるならうれしい」と笑顔を見せる。