津軽エリアの神社を回った旅行者のツイートが話題を集めている。
旅行者は東京在住のツイッターアカウント「幣束@goshuinchou」さん。30代社会人で日本の俗信や風習、民俗への造詣が深く、日本各地の神社や城、伝統行事を訪れているという。
1月14日~17日に青森県と岩手県各地を回った幣束さんは、津軽エリアでは鬼神社(弘前市鬼沢)や赤倉霊場(百沢東岩木山)、板柳町、つがる市などの神社を巡った。「青森は4度目。津軽は濃密な信仰文化があり、今回もその一部に触れられればと旅を企画した」と幣束さん。
14日に鬼神社で撮影した狛魚は粉雪が残り、「塩焼きみたいになっている」と投稿。1600以上のリツイート、4000以上のいいねが付いた。幣束さんは「狛魚は全国的に珍しいが、神社好きの間では知られている存在。反応はあると想定していたが想像以上だった。思った以上に造形がシュール」と笑顔を見せる。
幣束さんは鬼神社を訪れた後、赤倉霊場へ行くが積雪が多く断念した。「日本各地にかつていたイタコやゴミソのような民間巫女(みこ)は消滅しつつあり、青森・岩手・沖縄といったわずかな地域にしか残っていない。昔から行きたかった場所の一つ。雪のない時期に行く」と話す。
その後、幣束さんは岩手県大船渡市三陸町の国指定重要無形民俗文化財「吉浜のスネカ」や青森県東通村の重要無形民俗文化財「下北の能舞」を見学し、再び津軽地方に戻ってきたのは17日。その間にツイートした内容も1000を超えるリツイートやいいねが付き、ネットユーザーの注目を集めた。
青森市も含む津軽地方ではジャンバラしめ縄巡りをしたという。ジャンバラしめ縄は津軽地方特有のもので、鳥居に幾何学模様に編み込んだしめ縄を飾る風習。幣束さんは「ジャンバラしめ縄の上部には米俵や御幣などのさまざまなものを飾る点が、神社好きとしては必見。魔を寄せ付けない意味の幾何学模様のような編み込みは美しく、津軽が残すべき文化の一つ」と話す。
「東北地方は、シルクロードを通って西から流れてきた文化が混ざり合い昇華した場所というイメージを持っている。中でも青森はそのような文化の到達点とも言え、興味が尽きない」とも。