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弘前大学の「やさしい日本語」ウェブサイト閉鎖へ 25年の節目で

防災のための「やさしい日本語」のトップページ

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 弘前大学の社会言語学研究室が発信するウェブサイト「減災のための『やさしい日本語』」が1月17日、閉鎖する。

サイトでは「やさしい日本語」のパンフレットがダウンロード可能

 「やさしい日本語」は、表現や文の構造を簡単にし、外国人にも分かりやすくした日本語のこと。同サイトは、方言や言語を研究する佐藤和之教授とゼミ生らが1995(平成7)年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をきっかけにネットで発信しようと公開した。

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 サイトには「やさしい日本語」のパンフレットやゼミ生らの研究論文のほか、災害発生から求められる生活情報の用語約7600語をまとめた辞典などを公開している。佐藤教授は「やさしい日本語」の研究で2000(平成12)年、消防庁長官賞と村尾学術奨励賞を受賞した。

 サイトの閉鎖は1年前から告知していたという。「発信当初から当サイトは外国人と外国人を助けようとする日本のみなさんを対象にしていた。私たちがいつまでも発信しているとみなさんの意識を変えられないと考え、四半世紀という節目で閉じることにした」と佐藤教授。

 「今年に入り、1日のアクセス数が通常の2倍、3倍に増えている」とも。佐藤教授は「みなさんの意識を少し変えることができたのでは」と笑顔を見せる。

 現在では「やさしい日本語」を採用した事例が全国で700にも上り、東京五輪では多言語対応の一つの手段として推奨するという。佐藤教授は「『やさしい日本語』は言葉のノーマライゼーション(均一化)。外国人と日本人を分けることなく、等しく多くの人に情報が伝わるようにできる言語」と話す。

 同サイトの運営は社会言語学研究室のゼミ生が行い、サイト制作も当初からゼミ生が行っていた。佐藤教授は「東日本大震災の時には、50日間にわたってゼミ生らと一緒に24時間交代制で『やさしい日本語』の情報を発信し続けた。当サイトはゼミ生たちがいなければ続けられなかった」と振り返る。

 「弘前大学の学生と一緒だったからこそ成し遂げたこと。弘前大学以外では25年間も実現することができなかったのでは」とも。

 公開は同日17時まで。

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