作家・太宰治の誕生日を前に6月18日、「太宰治生誕前日祭」が開催される。
太宰治が過ごした「太宰治まなびの家」(旧藤田家住宅)。当時の部屋や机がそのまま残されている
太宰治は青森県北津軽郡金木村(現・五所川原市)生まれ。弘前大学の前身校の一つである旧制弘前高校に在籍し、3年間を弘前で過ごした。同イベントは多感な時期を過ごした学生時代を中心に、太宰の理解を深める内容となる。
初開催となった昨年は、太宰文学の翻訳者であり同大学前教育学部教授のジェームス・ウェスターホーベン氏を講師に招き、小説「津軽」を英訳したポイントなどを講演。今年は4人の講師を招いてシンポジウムを開く。「さまざまな角度から太宰治を分析する」と語るのは、主催する弘前ペンクラブの安田敏雄さん。
旧制弘前高校在学時に使った太宰のノートには多数の落書きが残っており、当時の太宰を掘り下げる資料として紹介するという。講師の一人であるサワダハンナ・ジョイ氏は同大学の国際教育センター准教授で、「留学生から見る太宰治といった珍しいアプローチもできるのでは」とも。
イベントではシンポジウムのほか、太宰が過ごした「太宰治まなびの家」(旧藤田家住宅)や文学碑なども見学する予定。
受講無料。申し込みはあおもり県民カレッジ事務局(TEL 017-739-0900)で受け付ける。