青森・黒石で2月4日、「旧正マッコ市」が開催され、早朝から「マッコ」を買い求める客でにぎわいを見せた。
「マッコ」は津軽弁で「お年玉」「おまけ」を意味し、「旧正マッコ市」は黒石の金物屋が常連客にマッコを渡したことが始まりされる。藩政時代から続く同習慣は、商人の町として栄えた黒石で、商人が商売への心意気を見せる1日として、マッコを振る舞うようになった。
現在では郊外店を中心に、購入金額に応じて日用品などの雑貨が入ったマッコを進呈し、数量限定や購入金額以上のマッコがついてくることから、開店5時前から長蛇の列ができるようになった。スーパー「さとちょう寿町店」(黒石市寿町)では今年、前日11時からテントを設営してマッコを求める姿もあった。
黒石の中心街・横町では高さ5メートルほどの櫓(やぐら)を設営し、福まきを朝5時と10時に実施。福まきは現金をいれたもちを投げたことが始まりとされる習慣で、現在ではもちではなく、小袋に硬貨や各店舗の割引券などを入れてまくことになっている。
マッコ市は時代とともに変化していったことを話すのは旧正マッコ市を主催する黒石商店街共同組合の鳴海浩二さん。「現代のスタイルになったのは戦後と言われており、バブル時代には家具一式を購入したお客さまに乗用車をマッコとして進呈したこともあったと聞いている」と話す。
鳴海さんは「郊外店を中心にマッコ目当ての集客が増えている。配布しているチラシを事前にチェックして、家族で並ぶ店舗を決めて、マッコを家族総出で求める傾向にある」と話す。「黒石市民にとってマッコ市は1年に一度のお祭りのようなもので、市外に出て行った黒石市民もこの日のために戻ってくるほど。早朝から町全体が活気づく様子は、まさに黒石のマッコ市ならでは」とも。