「津軽塗後継者育成研修事業令和5年度成果発表会」が現在、 藤田記念庭園(弘前市上白銀町)匠館2階ギャラリーで開催されている。
弘前市と青森県漆器協同組合が行う津軽塗後継者育成研修事業は、担い手の育成と地場産業の振興を目的としている。コロナ禍に開催できていなかった成果発表会は昨年に次ぎ2年連続の開催となり、今回は研修生5人の150作品を展示する。
研修生5人のうち唯一の男性で最年長の西谷弘康さんは、49歳で会社を退職し、研修生として津軽塗を学び始めた。研修は今年で3年目となり、あと2週間で修了するという。西谷さんは「50歳未満は研修制度に参加できないことを知り、今やらなければと思いに参加した。あっという間の3年間だった」と振り返る。
最年少の佐藤せせらさんは18歳で研修2年目。箸やげたに津軽塗を施した研修作品を展示する。佐藤さんは「津軽塗の魅力は思い通りに作れないところ。作家によっても味わいが違うため、私自身も同じ研修生の作品を見られることが勉強になる」と笑顔を見せる。
会場では作品展示のほか、作業を撮影した映像や津軽塗に使う道具、塗りの種類などを解説するパネルを設置する。会期中、研修生2人以上が在廊する。
2人の子育てをしながら研修に参加しているという小山内しほりさんは、一生できる仕事として津軽塗を選び、研修制度を活用した。小山内さんは「私たちの作品を手に取って見てもらうだけでも勉強になる。多くの人にぜひ見てほしい」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~16時(17日=15時)。入場無料。3月17日まで。