三浦酒造(弘前市石渡、TEL 0172-32-1577)が5月4日、SNSで一升瓶の返却を呼びかけた。
代表銘柄「豊盃(ほうはい)」で知られ、創業は1930(昭和5)年の同社。一升瓶が不足していると投稿したのは、三浦酒造の三浦文仁さん。投稿では、コロナ禍で一升瓶が少なくなっている現状と、青森県内向けに酒店などに一升瓶を返却するように呼びかける内容となっている。
三浦さんは「コロナ禍でガラス瓶の製造工場が閉鎖するなど、酒瓶不足が昨年末から問題になり始めていた。地方はなおさらで、リユースできる瓶が出回らず、県外に買い付けても送料などを考えると採算が取れない」と話す。
返却を呼びかけている一升瓶は茶色と緑色で、銘柄は問わない。三浦さんによると、一升瓶は年々回収される数が減りつつあり、地域の廃品回収ではなくゴミの日などに出してしまう習慣が増えてしまったという。「瓶をゴミの日に出すと、欠けたり壊れたりするため、リユースできない可能性が高くなる。リサイクルも瓶メーカーの閉鎖で新瓶の製造が少ない。酒店であれば瓶は回収され、酒メーカーに戻ってくる」と三浦さん。
現在、主力商品「豊盃 特別純米酒」の一升瓶サイズの販売は中止しており、720ミリリットルと300ミリリットル瓶の販売のみ。同社では直売所入り口に回収コーナーを設け、空き瓶の回収を受け付ける。三浦さんによると、SNSで投稿した当日に100本近くの空き瓶が回収されたという。
三浦さんは「瓶が足りなくなるという経験は過去にない。現在のままだと、酒はあるのに一升瓶の提供が難しくなってしまう。みなさまのご協力をいただければ」と呼びかける。