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弘前の「バナナアイス」危機乗り越える 三浦春馬さんファンの情報きっかけに

バナナアイスと店主の小山内潔さん。奥にあるのがフリーザー

バナナアイスと店主の小山内潔さん。奥にあるのがフリーザー

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 弘前の老舗アイス店「小山内(おさない)冷菓店」(弘前市駒越、TEL 0172-32-3856)の看板商品「バナナアイス」が5月7日、製造中止の危機を乗り越えた。

地下に眠っていたモーター

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 1947(昭和22)年に創業し、弘前に行商アイス文化を根付かせた同店。アイスキャンディーや「からんからんアイス」などを製造販売している。現在は3代目店主の小山内潔さんが店を切り盛りする。

 「バナナアイス」はバナナに似せた形をしたアイスキャンディーで、創業当時から続く看板商品。俳優の三浦春馬さんがテレビCM内でバナナアイスを作ったシーンが出てくることから、地元民だけでなくファンの間でも人気がある。現在でも北海道から九州まで広く注文があるという。

 小山内さんによると、4月上旬、バナナアイスを製造していたフリーザーが突然動かなくなったという。「フリーザーを作ったメーカーはすでになく、50年以上前の機械で床に接地しているタイプ。業者に問い合わせたところ、新品では400~500万円。中古もなく、修理するにしても床から切り離して持ち帰るため費用がかさむと言われ、バナナアイスの販売中止も考えた」と振り返る。

 4月8日、バナナアイスを購入しに訪れた三浦春馬さんのファンが事情を聞き、ツイッターで情報を拡散した。弘前の製造業「マトリクス」(早稲田)の高松輝賢さんにも届いた。「バナナアイスは地元で愛されているアイス。なくしてはいけないと原因を調査しに行った」と高松さん。

 高松さんは4月11日にフリーザーを確認し、モーターが故障していたことが分かった。「当時のモーターは機械の形に合わせてカスタマイズしているものが多い。モーターは心臓のような役割があり、スペックが合わないと機械に合わずアイスが作れない」と高松さん。修理は絶望視していたところ、小山内さんが使っていないモーターの存在を思い出した。

 「店内に防空壕(ごう)として使っていたという地下があり、使わなくなった冷蔵庫のモーターがそのままになっていた」と小山内さん。モーターを見つけた高松さんは「まさに奇跡。数十年前のモーターがまだ動くことができ、故障したフリーザーのモーターとほぼ同じスペックだった」と興奮気味に話す。

 修理はモーターの取り換えだが、接地しているフリーザーは動かすことができないため、作業は難航した。4月29日10時から始めた修理は6時間近くかかったという。「モーターが動いた時は思わず拍手した」と高松さん。5月7日には電磁スイッチとベルトの調整を行い、動作を確認した。

 小山内さんは「バナナアイスの在庫が残りわずかとなっていたため、断る注文もあった」と話す。「廃業まで考えたが、ご縁の巡り合わせでフリーザーを直すことができたことはうれしい。フリーザーがまだ動くのであれば、私も可能な限り店を続けていきたい」と意欲を見せる。

 価格は、バナナアイス=100円、チョコバナナ=150円。

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