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青森で赤いリンゴの木に黄色のリンゴ りんご研究所が調査

赤いリンゴ「ふじ」がなる樹に黄色のリンゴがなった(写真提供=ゆきと支配人)

赤いリンゴ「ふじ」がなる樹に黄色のリンゴがなった(写真提供=ゆきと支配人)

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 青森の農園で赤色のリンゴの木に黄色のリンゴがなったため、調査を依頼された「青森県産業技術センター(りんご研究所)」が11月9日に果実と園地を調べた。

黄色のリンゴにはザラザラとした肌質になるサビが目立つ

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 りんご研究所に調査を依頼したのはツイッターカウント「ゆきと支配人」。ゆきと支配人さんによると、祖父が持ち主で現在は叔父が管理をしているリンゴ農園で、赤いリンゴ「ふじ」の木の幹に黄色のリンゴ1個がなっていたという。11月1日に「正体不明のりんご」とツイッターで投稿したところ、「金色のりんご?」「禁断の果実かもしれないですね」といった反応があった。

 11月9日にりんご研究所品種開発部の担当者が果実と実際に園地の樹を調べた。同担当者によると、できた黄色のリンゴは甘く香りがあり、外観や収穫期から「金星」という品種の可能性が高いが、「ふじ」の枝との間に目立った接ぎ木の跡がないことから、突然変異した「枝変わり」の可能性も0ではないという。

 ゆきと支配人さんは「祖父ははっきり覚えていないため、詳細を聞き出すことはできないが、当園地で『金星』を植えたことがない。黄色のリンゴは3年前から同じところにできるようになった」と話す。

 リンゴは台木に品種の穂木を接ぎ木して育てる。別の品種を育てる場合は、接ぎ木苗を植え直す「苗木更新」か、元の品種の幹や枝に別の品種の枝を接ぎ木する「高接ぎ更新」の方法が取られる。「黄色のリンゴができた木は10数年前に植えた『ふじ』だと聞いた。若い枝に接ぎ木した場合年数がたつと接ぎ木跡が目立たなくなるため、もしかすると『金星』の苗木が混じっていて、途中から『ふじ』に高接ぎ更新した可能性もある」と同担当者。

 実際に黄色のリンゴを食べたゆきと支配人さんは「『ふじ』のような味はしたが、別のリンゴのような気もした」と話す。「黄金ふじ」という黄色のリンゴは、「ふじ」の枝変わりとして流通している。「枝変わりであれば、接ぎ木を繰り返しても果実の性質が変わらないことを確認する必要がある。今回の場合は複数個の果実をならせて既存品種ではないということもしっかり確認した方がいい」と同担当者。

 ゆきと支配人は「園主である叔父と話し合い、黄色のリンゴができた枝は残すことにした。今後、新しい品種として認められるのであれば、うれしい」と笑顔を見せる。

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