弘前の画廊「ギャラリー森山」(弘前市樹木、TEL 0172-35-6787)で現在、「ゆうれい展」が開催されている。
弘前と黒石の7カ寺が所有する幽霊や妖怪を題材にした幽霊画約80点を展示する。展示は幽霊画を供養する一面もあり、館長の森山豊さんは「開催期間をお盆にしているのは、先祖とのつながりに気づいたり亡き人供養したりし、命の大切さを知る期間でもあるため」と話す。
目玉展示の一つで「断首図」は「開眼の軸」と呼ばれ、幕末にさらし首にされた与力・渡邊金三郎(わたなべきんさぶろう)をスケッチしたもの。1976(昭和51)年のテレビ生放送中に閉じているはずの右目が開いたと話題になったことでも知られる。
今年は東京の古物商の知り合いから預かったという2枚の幽霊画のほか、明治期に青森を含む全国を旅しながら絵を描いた蓑虫山人(みのむしさんじん)のイラストも展示する。「蓑虫山人は縄文の土偶発掘にも関わった人物。世界遺産登録で盛り上がる縄文ブームの一つとして見てほしい」と森山さん。
開催初日となった8月1日には、恒例行事にリピーターや家族連れが多く訪れたという。森山さんは「遠出がなかなか難しい上、ねぷたまつりは中止。幽霊画を見て、少しでも非日常を味わい、暑い夏を涼んでほしい」と笑顔を見せる。
開催時間は10時~18時。入場料(供養料)は、大人=500円、子ども(小学生以上)=300円。8月20日まで。