フランス料理店「レストラン山崎」(弘前市親方町、TEL 0172-38-5515)が4月17日、店内をリニューアルした。
地元の食材を中心に使い、無農薬リンゴで知られる「奇跡のりんご」を使った「自然栽培りんごの冷製スープ」が看板メニューの同店。店内の全面リニューアルは1996(平成8)年のオープン以来初。リニューアル前の雰囲気を変えず、ステンドグラスを設置したり壁紙に工夫を加えたりし、店内を刷新した。
店主の山崎隆さんは弘前フランス料理研究会の設立者の一人で、「洋館とフランス料理の街 ひろさき」といった企画の立案者。「フランス料理で弘前や地元の生産者を盛り上げ、地方から発信しようとしていた」と振り返る。
山崎さんはホテル法華倶楽部弘前店(現弘前パークホテル)の洋食料理長を務め、1994(平成6)年に独立し、その2年後に同店へ移転。「カフェ山崎」や「西洋茶寮 サロン・ド・甚兵衛」などを開業し、現在に至る。
リニューアルの背景には1月13日に同ビル3階で発生した凍結による水道管破裂があった。「店内は水浸しになり、長靴がないと移動できないような状況だった。新型コロナウイルスによる売り上げ減少と水難のダブルパンチで途方に暮れ、店を閉めることも考えた」と山崎さん。
店は同日から休業となったが、スタッフらと一緒に後片付けをしたり「カフェ山崎」で代理営業をしたりしていく中、再起への思いが強くなったという。「やれるところまでやりたい」と山崎さん。無農薬やオーガニックにこだわった地元の生産者がいる弘前だからこそ、食材を生かせる地元の料理人が地元食材を使った料理で発信しなければと意欲を見せる。
リニューアルに当たり、店内だけでなく調理場も新しくした。「幸せになるレストラン」というテーマを新たに掲げ、料理によって前向きになってもらったり子どもたちへの食育への関心も高めてもらったりしたいという。
山崎さんは「私にとって水道管破裂は清めの水だったのかもしれない。逆に救われたような気持ちにもなっている。自分にできることは、料理で皆さまにお返しをすること」と笑顔を見せる。
営業時間は、11時30分~14時、17時30分~20時30分。月曜定休。