農産物直売所「ANEKKO(あねっこ)」(弘前市宮地川添、TEL 0172-82-1055)内にあるレストラン「こざくら」で12月1日、「一町田(いっちょうだ)のせり鍋」の提供が始まった。
一町田のセリは旧岩木町にある一町田地区に約400年前から栽培が続いているという冬野菜。岩木山からの湧き水が豊富な同地区は、湧き水が冬でも凍らないことから、セリの栽培が盛んになったという。地元民の間で冬の風物詩として親しまれている。
せり鍋(1人前=1,200円)には一町田産のセリ1束(100グラム)を一皿に盛り付けて提供する。鍋はしょう油ベースのスープに鶏肉やネギ、豆腐などを入れる。しゃぶしゃぶのようにセリを食べられるための卵も用意する。「ANEKKO」社長の村上美栄子さんは「ごはんと一緒におじやのように食べてもおいしい」と話す。
同レストランでは2018(平成30)年12月から期間限定でせり鍋を販売している。村上さんは「リピーターも増えている。一町田のセリの特徴は一本一本丁寧に洗われた根の部分。栄養価が高いといわれる根までぜひ食べてほしい」と話す。
一町田のセリ栽培農家・伊東竜太さんは、収穫したセリを2つの工程に分けて洗う。「収穫したセリの根の太さや葉の痛み具合を見極め、全収穫量の7割は捨ててしまう。一つ一つ手作業で時間はかかるが、おいしいセリを届けたい」と伊東さん。
こざくらの営業時間は11時~16時。せり鍋販売は1月下旬まで。