弘前市が現在、地域住民に対しアライグマに近づかないよう注意を呼び掛けている。
元々、北米や中米地域に生息していた外来種のアライグマは、1970年代に日本の一般家庭で飼育していた個体が放獣されたことにより野生化したとされる。日本生態学会では侵略的外来種ワースト100に指定している。
弘前市が発行する「広報ひろさき」では、「アライグマに注意!」との見出しで「絶対近づかない!」「絶対食べ物を与えない!」と注意を喚起している。市の農村整備課によると、アライグマの捕獲数は年々増加傾向にあり、昨年度は123頭、本年度はすでに16頭を捕獲しているという。「農業従事者向けにはほぼ毎年告知しているが、一般向けに告知した例は少ない」とも。
アライグマは雑食性で、スイカやメロンなどの露地栽培の農作物を狙い、弘前市内ではブドウやサクランボといった農作物に被害が出ている。弘前では人への被害は報告されていないが、家屋の屋根裏などに住み着くケースがあり、姿を見ても刺激を与えないよう市では呼び掛けている。
同課の担当者は「アライグマは狂犬病やアライグマ回虫などの病気を持っているだけでなく、爪や牙があり、個体差はあるが狂暴な性格もある。見つけたら刺激を与えずその場を立ち去るのを待ち、当課までご連絡いただきたい」と話す。
農作物への被害は弘前市農村整備課(TEL 0172-40-4155)、その他の被害は環境課(TEL 0172-36-0677)で受け付けている。