弘前の飲食店を支援する動きが広がりを見せている。
「パッケージプラザ コバヤシ弘前店」(和徳町)が4月1日、弁当容器の小分け販売を始めた。以前から小分けの要望はあったため準備を進めていたが、「始めたところ、想定以上の反響がある」と店長の品川将也さんは明かす。
品川さんは「今までは50、100個単位でしか販売することができなかった弁当容器。在庫を作る恐れから踏み出せない飲食店も小分けであれば、試作や今までとは違う容器を使った提供といった利用で、簡単にテークアウトに踏み出せているようだ」と手応えを感じている。
業務用厨房機器メーカーの「ホシザキ東北」弘前営業所(城東)では4月16日、飲食店や福祉施設向けに自社の電解水生成装置で作った次亜塩素酸電解水の無料配布を始めた。所長の猿川裕之さんによると、弘前の飲食店における新型コロナウイルスの影響は4月に入り深刻化。営業に行ける雰囲気はなく、1週間は何ができるかと悩んだという。
「岩手で東日本大震災を被災し、当時は飲食店に営業をせず、壊れた機器の修理をしたところ喜ばれた経験がある。今は利益というより、お客さまと寄り添う時なのでは」と猿川さん。「アルコール不足で困っている店舗も多く、少しでもお役に立てれば」とも。
輸入自動車販売や車両整備を行う「キムズガレージ」(高田)は4月11日から、飲食業者向けにタイヤ、オイル交換を新型コロナウイルスが終息するまでの間、無料にすると発表した。木村真悦社長は「周りに飲食業を営む知り合いが多く、自分の業種で飲食店を支援する方法を考えた」と話す。
「父親が小さな商店をやっていて、困っている時はみんなで助け合っている姿を見て育った。自分だけが儲けたり自分の会社だけが安泰だったりということは考えられない。助け合って、この困難を乗り切ることが大切」と話す。