弘前のダンススタジオでは現在、新型コロナウイルスの影響でレッスンに人を集めることができないため、オンライン化が進んでいる。
フラダンス教室「Hula studio moani」 (弘前市土手町)では4月6日からオンラインレッスンに切り替えた。代表の田中希生子さんは「東京やハワイの仲間の状況を見て3月中旬からオンラインレッスンの必要性を感じ、生徒たちへ打診はしていた」と話す。
オンラインレッスンを始めるに当たっては生徒たちのネット環境やスマホやパソコンなどの機器の有無を確認し、オンライン化は全員が可能ではあったが、60代の生徒だけが教室に行けないのであればと休会を申し出たという。月謝は据え置き、月の制限は設けず、何回でも受けられるようにした。田中さんは「手の動きなど細かい指導ができにくいことが難点だが、生徒たちに練習動画を毎朝送るようにしたところ評判がいい」と笑顔を見せる。
ダンススタジオ「ファンキースタジアム」(山道町、TEL 0172-88-6499)は4月15日からオンラインレッスンを始めた。代表の岩渕伸雄さんは「弘前さくらまつりが中止となり、県内でも感染者が現れるようになったあたりから弘前の雰囲気も変わった。主催イベントも延期から中止とし、レッスンは4月から2週間を休講とした中で、オンライン化が急務と考えた」と話す。
機材をそろえ、会員の通常レッスン料のほかに、会員以外のレッスン料を設定し、キャッシュレス決済にも対応した。オンライン化によって休会する会員にはレッスン料を払い戻したが、継続する会員にはレッスンを受け放題にした。「当スタジアムはほとんどが子どもで、家で自粛し体を動かせていないよりはダンスに触れていられる環境を作ることが大切」と岩渕さん。
15日には5プログラムのオンラインレッスンを行い、120人の会員が受講した。同スタジアムを卒業し、上京している元会員からの参加もあったという。「子どもたちは思いのほか、集中してレッスンを受けていた。新型コロナウイルスの終息を待っているよりは新しいことを仕掛け、オンラインでも魅力あるレッスンやイベントを作っていかなければ」と話す。
カルチャースクール「LOCO STUDIO」(駅前町、TEL 0172-55-6473)は4月13日から全教室をオンライン化した。代表の三上えみさんは「アプリの設定からネット環境の整備まで自前で急いで整えた。不備がまだまだある」と話す。
「オンラインレッスンを行ったところ、県外からの申し込みがあり驚いた。魅力ある先生のレッスンであれば場所にとらわれずに申し込みがあるのだと実感した。オンライン化は地方にもチャンスを作れるかもしれないが、オンライン化の環境を作れる人が地方に少ないことが課題なのでは」とも。