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弘前で「津軽こぎん刺し用麻布」販売へ 伝統を残したい思い

津軽工房社の引間未奈子さん

津軽工房社の引間未奈子さん

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 弘前の津軽こぎん刺し専門店「津軽工房社」(弘前市元寺町)が12月16日、「オリジナル津軽こぎん刺し麻布」の販売を始めた。

コングレス製と麻布で刺したモドコの比較

 津軽こぎん刺し専用として麻で作られた同生地。津軽こぎん刺しは、限られた資源と社会制約の中で生まれた津軽地方に伝わる伝統的な刺し子技法で、農民たちの美意識と工夫によって縦長のさまざまなモドコ(基礎模様)がある。

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 津軽工房社店主の引間未奈子さんは「麻布だからこそ生まれた津軽こぎん刺しだが、一般的に流通している布はコングレスの生地。今までは一部の店で麻布は売っていたが、生産量が少なくなり、入手が難しくなっていた」と話す。

 コングレスはししゅう用の生地で、縦糸と横糸の数は同じで正方形となるため、「年配の経験者からは、こぎんのひし型が正方形になってしまうことに違和感があるという声があった」と引間さん。「お客さまから麻布が欲しいという声は以前からあり、自分も麻布で刺したいという思いもあった。何より伝統的な津軽こぎん刺しを守るために地元から始めなければと考えた」と話す。

 準備は昨年の秋頃から始めたという。メーカーに問い合わせても、津軽こぎん刺しのことを知らず、取り合ってくれないこともあった。「自分の無知だけでなく、麻布が手に入りにくいことがあらためて分かった。ようやく見つけたのは、近畿地方の業者。伝統を残したいという思いに共感を得られた」と振り返る。

 生地の縦糸と横糸の数にはこだわり、調整を重ねたという。サンプルの麻布を経験者に実際に刺してもらい、拾った声を改善に役立てたと引間さん。「刺しやすくなるようにのり付けするなど工夫も施し、満足する布が完成した」と自信を見せる。

 価格は横10センチ~=715円~(縦125センチ)。販売を始めたところ、想定以上の反響があり、沖縄からの注文や10メートル購入した人もいたという。現在はネットでの販売は休止しており、津軽工房社としまや(百石町、TEL 0172-32-6046)で店頭販売のみ行っている。ネットでの再販売は来年2月上旬を予定する。

 「こぎん刺しをするみなさんが喜んでもらっていることが何よりうれしい」と引間さん。「現在は生成り色のみで、今後は4~5色の展開は考えている。卸売りにも対応する予定。津軽こぎん刺しという伝統を残すことで、ますます発展していければ」と話す。

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