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弘前の薫製専門店が「いぶりだいこん」 秋田名産を参考に

いぶりだいこんと成田修さん

いぶりだいこんと成田修さん

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 弘前の薫製専門店「燻(くん)製所トパーズ」(弘前市城東)が11月11日、「いぶりだいこん」の販売を始めた。

大根をいぶす小屋の中

 薫製専門店として2017(平成29)年6月にオープンした同店。大手酒類メーカーに勤めていた成田修さんが、脱サラして開業。隣県・秋田の伝統的漬物「いぶりがっこ」には興味があり、いつかは商品を考えていたという。

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 「いぶりがっこ」は秋田の内陸南部地方に伝わり、4~5日薫製し続けた大根を漬ける。品質の劣る他県産の「いぶりがっこ」が流通していることから、2017年9月に地域の農林水産物をブランドとして保護する国の地理的表示保護制度(GI)に申請し、2019年5月に登録された。

 成田さんは「勉強したかったため製造現場を見せてほしいとお願いしたタイミングがGI申請後で、秋田の製造元10数軒に連絡したがすべて断られた。ダメ元でお願いした『雄勝野きむらや』(秋田県湯沢市)に受け入れていただき、家庭で作るいぶりがっこの小屋も視察することができた」と振り返る。

 「弘前に戻る時には『秋田でいぶりがっこを作らないか?』と誘われてうれしかった。薫製店として大根だけを薫製しているわけにはいかなかったので、後ろ髪を引かれる思いだった」とも。

 「いぶりがっこ」の製造にあたり「きむらや」から条件があったという。「『いぶりがっこ』は名乗らないことだったが、津軽地方には伝統的な漬物が多く、各家庭の味や好みがある。漬ける方法はお客さまにゆだねて薫製した大根だけを販売することにした」と成田さん。

 昨年から製造を開始。知り合いから紹介されたガソリンスタンドの倉庫で大根を薫製したという。成田さんは「協力者に『いぶりがっこ』の製法を説明することに苦労したほか、数日間薫製し続けなければいけなかったため車中に泊まり、火加減を調整した」と話す。

 今年は店のリピーターの一人から空き家を提供してもらい、敷地内に薫製用の小屋を作った。大根を吊るすために小屋には高さが必要だったが、基礎工事を入れると予算がかさむため、穴を掘り半地下にした。

 「仕入れ値を抑えるためになるべく工夫している。大根も仕入れ元の農園まで行き、自分たちで収穫した。小屋を建てる際、薫製の火加減の調整など、協力してくれた多くの人たちには感謝しかない」と成田さん。

 「津軽風にアレンジした『いぶりだいこん』をいつか秋田のお世話になった人たちに報告しに行きたい」と意欲を見せる。

 価格は500円。直売所ANEKKO(あねっこ、弘前市宮地川添)、バンブーフォレスト(代官町)、油屋福六(大清水)、ハンドクラップ(青森市堤町)で販売。

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