久渡寺(弘前市坂元)で6月20日、江戸時代中後期の絵師・円山応挙の真筆とされる幽霊画が1日限定で一般公開された。
公開中に小雨が降った時の雨雲レーダー。雨雲が久渡寺周辺だけにある
1年に一度、旧暦の5月18日に当たる日に所蔵の幽霊画「返魂香之図(はんごんこうのず)」を一般公開している同寺院。今年は、イベント「応挙の幽霊画を観(み)ながら落語『応挙の幽霊』を聴くツアー」も初開催され、約100人が来場した。
住職の須藤光昭さんによると、本来12時から1時間だけの公開となっていたが、今年はツアー企画に合わせ、13時45分から落語家の三遊亭兼好さんによる落語「応挙の幽霊」が終わる15時30分まで2回公開したという。
「幽霊画のモデルとなるため自らの命を絶ったとされる円山応挙の妻を供養するため年に一度公開している。多くの人たちに供養していただけるのであればと、今年は2度行った」と須藤さん。
公開日には雨が降るとされ、今年の空模様に来場者やツアー主催者らの注目が集まっていた。今年の青森県内は各地で平年の30%以下となる降水量で水不足も懸念されている。
この日の弘前は朝から快晴で公開前も晴れていたが、公開した14時過ぎから小雨が降った。参加者からは「やっぱり降るんだ」「すごい」といった驚きの声が上がり、須藤住職は「みなさまの思いが伝わったのでは」と話していた。