弘前のクラフトビール専門店「ギャレスのアジト」(弘前市松ヶ枝、TEL 0172-78-1222)で2月18日、新ブランド「青森エール」販売の発表を行った。
「津軽にしか作れないクラフトビール」をコンセプトとしたクラフトビール醸造所を併設する同店。店主のギャレス・バーンズさんは元米軍兵士。三沢基地に配属されたことをきっかけに2007年、弘前へ移住。英会話教室講師などを経て2016年に同店をオープンした。
説明会には市内外から飲食店経営者が参加。ギャレスさんの説明に耳を傾けた。ギャレスさんは開業から2年間の経過を報告。楽天イーグルスの球場内で売る東北クラフトビールに選ばれたほか全国約300店と取引があり、1月に横浜で開催されたビールの祭典「JAPAN BREWERS CUP 2019」では「濃色系ビール部門」4位に入賞したことなどを伝えた。
ギャレスさんは「クラフトビールが青森に根付いていないことから『青森でしか飲めないビール』を造ろうと思った。まずはクラフトビールを知ってもらえるよう、飲食店が提供しやすい仕組み作りから始める」と話す。
「青森エール」提供店は県内に限定する。20店のみとし、「東京の業者がうらやましがる」金額設定にするという。ビアサーバーは、米軍兵士時代に爆弾処理班として働いていたというギャレスさんが改良を施したオリジナル冷蔵庫を使う。。提供店に無料で貸し出し、オリジナルグラスも用意する。
「クラフトビールを飲んだことがない人にも飲みやすい味にする。現在、米国ではクラフトビール市場が急成長しており、全国どこでも飲めるビールではなく、地域でしか飲めないビールが見直されている」とも。
参加者からの「20店に限定した理由や業種に条件はあるのか」「なぜ青森なのか」との問いに、ギャレスさんは「提供店数を限定したのはブランド力を高めるため。店の業種はかぶらないよう調整する予定」「青森は住みやすいし、好きだから」と答えていた。
「村おこし酒造どんどこどん」(むつ市新町)店長の和田浩太さんは「青森でしか飲めないビールというのはPRしやすいし、ギャレスさんの人柄や考えに共感できる。ぜひやってみたい」と話していた。