青森・西目屋村役場で7月20日、現金による最後の給与支給が行われた。
村役場職員44人の給与をこれまで現金で支給していた同村。7月分をもって給与の現金支給制度を廃止し、8月分から銀行振り込みにする。
人口1340人(6月1日現在)の西目屋村は青森県で一番小さな自治体。世界自然遺産・白神山地のふもとに位置し、総面積の約95%は山林。村内にコンビニエンスストアはなく、銀行のATMは1台ある。給料日には、銀行に預ける人で行列ができることも多かったという。
関和典村長は「今までトラブルもなく慣例となっていたが、効率化や安全面を考慮して変更に踏み切った」と話す。
20代の男性職員は「今までより楽になるとは思うが、給料袋を手にした時の喜びがなくなることは寂しい気もする」と話す。40代の男性職員は「いわゆる『古き良き』時代の伝統だが、決まったことなので仕方がない」と話す。
関村長は「現金支給によって得られる充実感や達成感といった見えない効果が損なわれるのは残念だが、これも時代の流れ」と話す。