弘前の津軽三味線ライブハウス「杏(あんず)」(弘前市親方町、TEL 0172-32-6684)が4月20日、営業再開した。
弘前を拠点に活動する津軽三味線奏者8人が在籍し、生演奏を行うほか、郷土料理を提供する同店。1996年4月に営業を始め、今年で22年目を迎えたが、創業者で店主の山本滋紀さんが3月23日に急逝したため一時閉店していた。
現店主で自身も津軽三味線奏者の多田あつしさんは「葬儀などの場でほかの三味線奏者のメンバーと再会した時に営業再開を考え始めた」と振り返る。スタッフからは力を貸すので続けてほしいといった声があったほか、山本さんの遺族からの了解もあり、「やるしかない」と4月15日に営業することを決めたという。
開店準備は在籍する津軽三味線奏者やアルバイトも戻ってきて手伝ったという。多田さんは「閉店前に予約してお断りしてしまったお客さまにあらためて電話し、営業再開を伝えたところ、8~9割のお客さまに予約を入れていただいた。とてもうれしい」と笑顔を見せる。
津軽三味線奏者は、多田さんを中心に津軽三味線全国大会入賞の実力者がそろう。「生演奏のスタイルだけは守りたい」と多田さん。津軽三味線の演奏は1日2回(鑑賞料金800円)。
店舗面積18坪。席数は34席。提供するメニューは手作りで地元産にこだわったという。
フードメニューは、けの汁(500円)、イカメンチ(600円)、ほたての貝焼(600円)、竹の子スティック(600円)、黒石豆腐(600円)、馬刺し(1,200円)など。ドリンクメニューは、ビール各種(600円)、ソフトドリンク各種(400円)、地酒グラス(700円~)など。
多田さんは「弘前さくらまつりが開催されるゴールデンウイーク中は、三味線奏者が注文を受けに行ったり皿を洗ったりして、メンバー全員で力を合わせて営業できた。今後も観光客や地元の方々に立ち寄っていただける店を心掛けていきたい」と意気込む。
営業時間は17時~22時30分。日曜定休。