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インタビュー2017-07-26

弘前で津軽三味線を奏でる女子大学院生
「三味線を伝えていきたい」

 バチを弦に叩きつけるように弾き、聴者の体が震えるほどの力強い音を響かせる「津軽三味線」。そんな津軽三味線を伝えていきたいと活動する23歳の津軽三味線奏者・太田彩香さん。弘前大学大学院(教育学部研究科)で伝統文化の継承に関する研究をしながら、津軽三味線の修業も続ける。彼女にとって津軽三味線とは?

■津軽三味線の力強さにひとめぼれ

―弘前を拠点にご活躍中の太田さん。津軽三味線との出会いは?

 小学2年生の時、参観日の出し物で津軽三味線を練習したことが初めての出会いです。津軽三味線の力強い音色にひとめぼれしてしまい、同級生の父親だった多田あつし師匠のもとで修行しようと決めました。

―多田さんは太田さんにとってどういう方ですか?

 多田師匠はアメリカ・ニューヨークで公演を行ったり、長野冬季五輪で演奏したりするなど一線で活躍する尊敬する津軽三味線奏者です。参観日へ向けた演奏指導では多田師匠が引き受けてくださり、私も直接教えてもらいました。たくさんの人数を相手に指導していたにも関わらず、一人ひとりをきちんと見てくれていたことを覚えています。

―津軽三味線の練習の成果はでましたか?

 発表は大成功! 数カ月後に控えた学習発表会でも津軽三味線を演奏することが決定するほど大きな反響があり驚きました。いま思い返すと津軽三味線の楽しさを実感した瞬間でしたね。

■私の世界を津軽三味線が広げてくれた

―俳優・三浦春馬さんと共演した経験があるとか?

 高校2年生の頃、東北新幹線の通過する新青森駅が開業したんです。その時のポスター撮影で、三浦さんに津軽三味線の弾き方を教える役を頂きまして(笑)。緊張しすぎて手が震えてしまいましたが、思いがけず三浦さんと共演できて嬉しかったです。

―重要な役を演じた高校時代の太田さんが、どんな学生だったのか気になります!

 部活には入らず、放課後は津軽三味線の演奏活動をするほど津軽三味線一筋の高校生活でした。勉強をする暇があるなら津軽三味線の練習をしたいと思っていましたから。

―高校卒業後は弘前大学へ進学していますね。大学へ進学しようと思ったきっかけは?

 進路を考える時期になっても津軽三味線の世界へ飛び込もうという考えは変わりませんでした。そんな私に1年生の頃担任だった先生が「演奏だけでなく、いろいろな視点から三味線と社会の交わりを考えてみてはどうか」とアドバイスをくれたんです。津軽三味線を別の視点で研究することも楽しそうだと思い、大学へ進学することにしました。


ゼミの仲間たちと大間へ。太田さんは左から2番目

―探求心旺盛な性格は、大学での活動とリンクする部分がありますか?

 「広報ひろさき」の作成に携わるなど、地域活動へ意欲的に参加していました。いろいろな場に出向くことで、ネットワークがどんどん広がるのが楽しくて(笑)。すると不思議なことに、イベントを企画している方からお仕事をいただいたり、地元のカフェで演奏する機会をもらえたり。以前までは津軽三味線を聞かせる居酒屋での演奏が主でしたが、自分の活動の幅が広がっていきました。津軽三味線を弾いていたからこそ、出会えた人たちがたくさんいて、津軽三味線が私の世界を広げてくれました。

■やりたいことは今しかできない

―プロの津軽三味線奏者に向けて順調に進んでいたのですね!

 いえ、実はそうじゃないんです。大学の研究を通して津軽三味線を仕事にすることの大変さを実感してから、自信をなくしてしまった時期がありました。そんな時に出会ったのが、アルパ奏者の小野華那子さんです。

―津軽三味線奏者の太田さんと、アルパ奏者の小野さん。お二人はどのように巡り会ったのでしょう?

 出会いは昨年6月、履修していた授業のゲストスピーカーが小野さんでした。同年代でありながら、好きなことを仕事にしている小野さんがとても輝いて見えたのを今でも覚えています。授業終了後に意気投合して、その後カフェでお茶をする仲になりました(笑)

―小野さんとの交流は今でも続いているんですか?

 はい。いろいろな相談にも乗ってくれ、自信がなくなっていたことを小野さんに伝えると、「やりたいことは今しかできない」と背中を押してくれました。大学院卒業後、津軽三味線奏者として生きていこうと決心できたのは小野さんのおかげです。

―「広報ひろさき」では、小野さんと共に表紙を飾っていますね。

 市役所の方が私と小野さんに興味を持ってくださって、「弘前で頑張る若者へなにかメッセージを伝えられないだろうか」と話を持ち掛けてくださったんです。そしてインタビューを受けることが決まり、なんと表紙まで飾らせていただきました。


2017年1月号の「広報ひろさき」で、アルパ奏者の小野さんと共演した表紙(提供:弘前市)

■津軽三味線の魅力を若い人たちに伝えたい

―どんな津軽三味線奏者になりたいですか?

 人を感動させられる演奏をしていきたいと思っています。私の演奏を聴いて泣いて喜んでくれる人たちもいるんです。そんな人たちのために、もっと良い演奏をしたいですね。また、津軽三味線は青森をアピールする大切なツールなので、その魅力を若い人たちに伝えていけるような活動もしたいです。

―実際に、どのような活動をされていますか?

 弘前大学津軽三味線サークルで指導を行っています。大学のサークルだけでなく、母校の小学生の子たちにも教えています。当時小学生だった私に師匠が教えてくれたように、今は私がその立場になっていると考えると感慨深いです。

―着々と夢へ近づいていますね。次にやってみたいことはありますか?

 小野さんのアルパとセッションすることです!津軽三味線はリズムをとるのが難しいので、ほかの楽器と共に演奏するには技術が必要となります。津軽三味線以外のテンポに馴れようと、最近はギターを弾き始めました(笑)。まずは小野さんとのセッション実現に向けて、頑張っていきます!


7月8日に「レストラン山崎」(弘前市親方町)で行ったソロライブで笑顔を見せる太田さん

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 たくさんの出会いをもたらした津軽三味線。「今度は自分が、津軽三味線とたくさんの人たちを繋ぎたい」という想いが太田さんの原動力になっている。目標へ向かってひた走る姿は、たくさんの人に元気と勇気を与えているのではないだろうか。これからの彼女の活動に期待したい。(記者:タカダハルナ)

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