青森・弘前で2月20日・21日、弘前大学の学生らが企画した「短命県体験ツアー~青森県がお前をKILL(キル)~」が行われた。
青森県が全国ワースト1の短命県を逆手に取り、青森県民の暮らしぶりを体験する同ツアー。1月下旬から参加者を募集した所、「青森県が他県民を殺しにかかっている」「自虐すぎる」(以上、原文ママ)とネットで話題を集め、多くのメディアが取材に訪れた。
1泊2日のツアー初日は、朝から酒蔵で6つの地酒の飲み比べ、昼食に「締めのラーメン」と呼ばれる津軽ラーメンの煮干しラーメン店をハシゴし、伝統工芸の「津軽こぎん刺し」刺しゅう作業を行う。夕食はすべてしょう油をかけて食べ、参加者が宿泊した部屋には同県出身の太宰治の著書「人間失格」と日本酒が置いてあったという。2日目は雪かきや座禅を行い、生き方についてあらためて考えるプログラムを体験した。
東京から参加した参加者の一人で会社員の兼平憲さんは「青森市出身だが上京して約20年がたつ。話のネタにと参加してみたが、津軽の郷土料理『たらたま』といった知らない青森のことを知る機会になった」と満足した表情を見せる。
学生リーダーで弘前大学3年生の坂本大河さんは「酒蔵見学をした後の酒を飲み始めてからツアー参加者たちが打ち解け合うようになり、『飲みニケーション』に花が咲いていたように見え、企画者としてうれしかった」と笑顔を見せる。
ツアーを企画した学生たちはツアーを終え、「短命県という切り口から津軽の生活、文化、人柄の魅力を参加者には感じていただけたようだった」「多くのことを学ぶ場になった」「取材メディアの数に圧倒された」「準備が大変だった」とそれぞれ振り返った。
ツアーを主催した弘前の旅行代理店「たびすけ」の西谷雷佐さんは「郷土愛があるからこそできたツアー」と話す。
坂本さんは「もし次回を考えるのであれば、春は桜まつり、夏はねぷた祭りなどのお祭り文化もツアーに組み込み、短い人生を一生懸命におう歌するプログラムがいいかもしれない」と意欲を見せる。