にんにくパスタとアフタヌーンティーの店「ホームテーブル」(藤崎町西豊田1)が12月26日、イオン藤崎店近くにオープンした。
青森に移住した台湾人のチャン・チュチャオ(通称=せん)さんとUターンした笹森誠子さんの女性2人が開業した同店。にんにくを使った月替わりのパスタメニューとアフタヌーンティーを提供する。
笹森さんは青森県内で栄養士として働いていたが、35歳でインテリアコーディネートを学ぶために上京。せんさんとは東京のシェアハウスで出会った。せんさんは子どもの頃から忍者や武士が好きで、2015(平成27)年にワーキングホリデーで来日。東京でフリーランスのデザイナーとして活動していた。
2人は2017(平成29)年にデザイン会社「クロブシ」を設立し、にんにくのオリジナルブランド「ICHINICHIIPPEN(イチニチイッペン)」を立ち上げた。にんにく農家に生まれた笹森さんは「地元の藤崎町常盤地区(旧常盤村)『ときわにんにく』をもっと広めたいと始めた」と振り返る。
2020年に2人は青森に移住し、にんにくの農作業を従事しながらデザインやホームページ制作を仕事にした。「日本の地方に住むとは考えてもいなかったが、日本の方が自分には合っている」とせんさん。
栄養士の経験を持つ笹森さんと飲食店で働いたことがあったせんさんは、飲食店の出店を当初は考えていなかった。「飲食店はたいへんだということがわかっていたから」とせんさん。笹森さんは「活動の目的に、にんにくをもっと深く知ってもらうことがあった。生産の過程や料理などを楽しめる『にんにくの美術館』のようなものを考えていたが、にんにくの魅力を分かりやすく伝えられるのはやはり飲食店だった」と笹森さん。
昨年11月に見つけた同物件は、築約30年の2階建て一般住宅。「クロブシ」のオフィス併設の住宅として使っていたが、今夏あたりから飲食店開業の準備に取り掛かった。笹森さんは「せんさんとは性格も育ちも違うが、やると決めたら息が合う。直前までいつも慌ただしいが」と苦笑する。オープン日を決めたは12月に入ってから。メニューもオープン直前まで決まっていなかった。
店舗面積は57坪、席数は20席。笹森さんのインテリアコーディネーターとしての経験を生かし、2人で改修した。1階の洋室と和室を店舗とし、照明やテーブルにこだわった。ホームパーティなどのイベント利用や料理教室、加工品製造などの今後の活用を考えた動線を意識しているという。
メニューはランチメニュー「ガーリック・ファースト」(1,800円)、「故郷の味わい」(2,300円)、「収穫のテーブル」(2,800円)。それぞれ月替わりのにんにくパスタがあり、にんにくを使ったドレッシングやパンなどを用意する。アフタヌーンティーメニューは、ショートケーキやバナナキウイロールケーキといった3種のスイーツとドリンクを組み合わせたセットとなる(1,600円)。
笹森さんは「にんにくを使った料理で、藤崎に立ち寄ってもらえるような店にしたい」と意欲を見せる。せんさんは「ホームのような店の空間でアフタヌーンティーを楽しんでほしい。店を生かしたイベントやにんにくの魅力を発信できる場になれば」と話す。
営業時間は11時~15時30分(ランチメニューは13時まで)。日曜・月曜定休。