弘前・土手町コミュニティーパーク(弘前市土手町)で8月30日、「大学生の地域参加と学び」と題し、大学生の地域活動への参加と意識についての研究成果報告が行われた。
ゲストコメンテーターとして講演する筑波大学大学院准教授の唐木清志さん
同研究は弘前大学生涯学習教育センターの深作拓郎さんを代表とした共同研究者たちによるもの。2012年から弘前大学の講義の一つとして実施し、育児支援を軸とした講義や演習、実習によって大学生の地域愛着、活動の参加への学習効果を検証することを目的としている。
今回の研究の背景には、気軽に参加できる育児サークルや事業が少ないなどといった育児中の保護者からの声があった。「学び」を通じた「つながり」を作る機関として大学への期待が大きいことから、同研究の前身となる「大学の力を活用した子育ち・子育て支援プログラムの検討」が開始された。
研究報告ではさまざまな取り組みが紹介された。地域社会に対する関心や理解を深める講義のほか、育児の疑似体験や育児世代との語り合いなどの演習、地域のイベント会場を使い学生が子どもの遊び場を作って触れ合う実習などの取り組みが報告され、地域活動に対して関心の薄かった学生が、最終講義では自ら地域の一員である意識を持つようになったことも紹介された。
そのほか、コメンテーターとして招いた筑波大学大学院准教授の唐木清志さんが「『大学生の地域参加と学び』とサービス・ラーニング」をテーマに、地域参加に対する日本の現状や得られる効果、さらなる発展に向けた提案したほか、弘前大学名誉教授の佐藤三三さんによる「社会参加と弘前市の地域性を踏まえて」といった現代地域社会の特徴なども紹介した。