人口減少や少子化の影響により今は1学年1クラスになり、生徒の全国募集に踏み切った青森県立三戸高等学校。高校の独自性を出していこうと、県内外からクリエイターを招き、情報発信や、地域課題の解決に向けたプロジェクトづくりをカリキュラムに取り入れました。1年生の授業では三戸町のポスターを制作しました。
高校生が黒板に書いた各チームの考える三戸町の魅力
各チーム2~3名の合計12チームが、まずは、三戸町の伝えたい魅力を決めました。そこからポスターの中身を考えて、キャッチコピーやビジュアルなどの企画を考えました。
プロのクリエイターにみっちりと指導を受けながら企画を進めました。
順調なチームもあれば、「頭から血が出そう」と企画がなかなか出ず、産みの苦しみを味わうチームもあり。みんな真剣そのものでした。
撮影は高校生たちが自ら行いました。一眼レフのカメラを触るのもはじめてといった生徒も多い中、なんとか撮影をしました。
ポスターが完成した後は、三戸高校の部活動「クリエイティ部」の部員たちがポスターのアイデアをベースにCMを作成しました。ポスターのアイデアをベースに動画を作る。撮影はスマホ、編集も学校のタブレットを使って自分で行いました。
CMお披露目会のギリギリまで編集を粘ってなんとか完成した生徒もいました。
完成した力作を以下にラインナップ。ポスターとCMをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=JwQ079ppRhE
テーマは祭り
三戸町は南部藩の城下町で祭りが盛んです。祭り好きな高校生が自らモデルになっています。
青森朝日放送主催の「ふるさと自慢わがまちCM大賞」に三戸町代表の作品として応募されました。
https://www.youtube.com/watch?v=Uba0wDgAOcM
三戸町民のやさしさ
県外から来た生徒が三戸町の人々と日々接して感じたやさしさを描きました。「まちの楽校」というお店のおばちゃんたちに協力をしてもらいました。CMみたいな会話は本当に毎日繰り広げられているそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=nKXf5bMsL4A
https://www.youtube.com/watch?v=A0WZYFT9sLw
魅惑の三戸フルーツ
さくらんぼ、りんご、桃、プラムなど、三戸はおいしいフルーツの宝庫です。CMも2本できました。
フルーツには旬があるので撮影が難しく、もう1タイプはりんごの旬が来るまで数ヶ月待ってからの撮影となりました。
https://www.youtube.com/watch?v=XZN4kgRJ3_E
町民のオアシス、お城の公園
三戸町民の誇り、それが戦国時代の南部家居城「国史跡三戸城跡」にある城山公園です。公園で筋トレしたり、犬の散歩に来たり、小さな動物園もあります。町民なら誰でも行ったことがあるいこいの場所。春には桜が満開で、花見スポットとしても有名で全国から人が訪れます。
動物がなかなか近くに来てくれなかったりと、撮影に苦労しましたがなんとか仕上げられました。モデルの男性は、教頭先生です。
https://www.youtube.com/watch?v=ns_8xxJ4ZpU
意外にたくさん歴史あり
町内には大正浪漫を感じる古い建物が点在しています。ここ佐瀧の敷地には洋風建築の建物がそのままの姿で残っています。歴史好きの生徒がその心の声を作品にしました。
https://www.youtube.com/watch?v=TWf-x-CHujI
町はリアルプラネタリウム
町の中心からでも星が綺麗に見える三戸町。昔、こんな会話したなという思い出話を手掛かりにキャッチコピーを作成しました。実際に撮影中に謎の光が夜空を横切りました・・・
以下からはCMはありませんがポスターだけ。
自然とあそびたくなる
町を流れる熊原川に馬淵川、豊かな自然に囲まれてついつい遊びたくなってしまう三戸町です。
熊原川の河川敷で撮影をしました。高校生のリアルな声がいいです。
人も街もアツアツ
三戸町の高齢者って元気だよな、ということから発想を広げ、三戸名物の南部せんべいと、せんべい屋さんのおばちゃんの笑顔で人間のあったかさを表現しました。
いい表情を引き出すために撮影がんばりました。
11ぴきのねこの町
三戸町は絵本「11ぴきのねこ」シリーズの作者、馬場のぼるさんが生まれ育った町です。
町には11ぴきのねこたちがあちこちにいます。聖地巡礼とばかりに、ねこたちを探して三戸町にやってくる人々もいます。
おいしい郷土料理
写真の串もち、南部せんべい、せんべい汁、ひっつみなど、三戸にはおいしい郷土料理がたくさんあります。三戸町のPRキャラクターにもなっている11ぴきのねこに郷土料理の魅力を語ってもらいました。ねこの歯形をどうやってつくるか、悩みどころでした。
夕日がきれいな三戸町
夕日を見ていると本音を語りたくなる高校生のリアルな会話。夕日とセリフが切なくて、ジーンときます。曇って夕日が出なかったり、場所に迷って夕日の時間に間に合わなかったり、3度目の撮影でようやくきれいな夕日が撮影できました。
安心のまち
三戸って治安いいよな~、事件ないよな~といった住んでいる実感をポスターにしました。本物の警察官に協力をしてもらって撮影しました。警察官の手にご注目ください。
なんと、三戸警察署が実際にポスターを使用してくれることになりました。
高校のCMに挑戦した2年生
クリエイティ部の2年生たちは昨年作った三戸高校のポスターをベースにCMを作りました。
大自然しかねえ
まさにキャッチコピーの通り。生徒の魂の叫びがここにあり!ポスターもCMもドローンを使って撮影をしました。
https://www.youtube.com/watch?v=MaWUmXFna08
少人数だからできることいっぱい
生徒数は少ない、部活の部員も少ない。だから、出場枠がたくさん。そして、生徒が少ないからこそ個性が伸びる。
みんな一生懸命で実力もあります。ソフトテニス部は強豪で、放送局も20回以上、全国大会に出場しています。なくなってしまった野球部のグラウンドを使って撮影しました。
https://www.youtube.com/watch?v=pbDd2w_23Ec
三戸城の麓で輝け!青春
歴史ある三戸町の、約100年の歴史がある三戸高校で、高校生活を送る決意を表明。
当時の武士が着用していた鎧(複製)を借りて、撮影しました。夏だから暑くて大変でした。CMの最後に映る、見事な腕前をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=zaO8RtYBIzM
登山?いいえ、学校です。
丘の上にある三戸高校。毎朝の登校はまるで登山のよう。でも、毎日歩いていると、先が見えてくる。そんな坂道の通学路で撮影をしました。
https://www.youtube.com/watch?v=_dShkGIt458
満たされる高校生活
三戸高校には、高校としては珍しい「昼食提供」があります。それがいつも結構おいしくて楽しみにしている生徒も多くいます。おいしい昼食をみんなで食べられること、そして、そこにある思わぬドラマを表現しました。
https://www.youtube.com/watch?v=BBMmaG5fui8
先生以上、友達未満。
まるで個別指導!?生徒が少ないのと、先生が優しいから、生徒と先生との距離が近い。勉強も、それ以外も教えてくれる。三戸高校の大きな魅力です。
こうした実績が高校でも認められて、クリエイティ部に公式パンフレット作成の依頼もきました。
手前は応援団で、校舎の窓からもたくさんの生徒と先生が。全校生徒がほぼ出演しています。アイデアも撮影もキャッチコピーもすべて生徒が考えました。
こうした様々な活動をしている三戸高校クリエティ部ですが、2024年全国高等学校総合文化祭の郷土研究部門で最優秀賞を獲得!快挙となりました。
きっと、生徒も増えるはず!?何より、町と学校を自分たちで変えていく。
今後も三戸高校にご注目ださい。
◆三戸高校「クリエイティ部」について
青森県外から生徒を受け入れる「全国募集」の導入校となった三戸高校の魅力向上の一環として新設された部活動。アイデアの考え方、デザイン、情報発信などの手法を学び、実際に形にしていくことで学校の活性化や地域課題の解決などに役立てることを目的としており、顧問であるコピーライターの日下慶太氏や、「JAGDA青森」協力のもと、青森で活動する広告クリエイターたちが企画・撮影・デザインを指導。今後も引き続きクリエイティ部の制作活動をサポートしていきます。